Case Study

グローバル 商品化 エンタープライズ

新市場に踏み出した、建材メーカーの挑戦。デザインコンペティションを起点とした認知拡大プロジェクト

2020/06/26(金)

コンペティション

株式会社フロントは、日本を代表する建材を提供するメーカーです。なかでも『ARTSTEEL』という特殊サビ加工を意匠として付加した素材は、鋼の表面に保護性錆を形成することで腐食が内部に進まない耐候性鋼(たいこうせいこう)に特化した素材として、独自の立ち位置を築いてきました。これまで赤坂サカスや京王吉祥寺駅、京都の伊右衛門サロンのファサードなど、数多くの建築物にも採用されています。このように建築業界を主戦場とするBtoBのビジネスを行っていたフロント社ですが、大規模事業のキャッシュフロー期間は数年かかることもあるため、短い期間で利益を上げることができるtoC領域への商機拡大を目指していました。そこで、ロフトワークとともに『ARTSTEEL』を用いたデザインコンペティションとプロモーション活動を実施し新市場への参画を狙いました。それが今回紹介する、「Life with ARTSTEEL」プロジェクトです。

『Life with ARTSTEEL – “Wabi-sabi” 鉄を使って、豊かな暮らしをつくる プロダクトアイデア募集』

・プロジェクト期間:2019/04〜2020/08(約6ヶ月)
・受賞作品数/応募作品点数:4点/84点

主な成果:
・商品化の検討
・『ARTSTEEL』サンプル展示(会場:MTRL)
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受賞作品

世界各国から集まった作品は、84点。そのなかから選ばれた作品4点。
受賞作品の詳細はこちらから

審査員

審査員には、「素材」に対する造詣が深い マテリアルコネクション 主宰 玉井 美由紀氏を起用。さらに、受賞作品の商品化を見据え、「売る」「マーケット」視点として三越伊勢丹の小田 将輝氏、「話題性」「メディア」の視点をもつ元『&Premium』誌 エグゼクティブディレクターの柴田 隆寛氏を迎えました。

クライアントの課題とプロジェクト背景

建築業界のキャッシュフローのサイクルは数年単位。フロント社は、より短期間で利益を得ることができるtoC領域で自社素材を使ったプロダクトをきっかけにビジネスモデルの変革を狙っていました。

そんな折、ロフトワークが運営するものづくりカフェ『FabCafe』と、同社が運営する素材とクリエイターをつなぐ共創プラットフォーム『MTRL(マテリアル)』、『AWRD(アワード)』との出会いを経て、イベントなどを通じてクリエイターやデザイナーと多彩な素材と接点をつくりながら、共創プロジェクトを立ち上げていることを知りました。

なぜコンペティションを選択したのか

コンペティションは、あるテーマに対して複数案から良いものを選定する手段として、古くから用いられているメソッドです。そのメリットは、これまでにない視点で新商品を生み出したり、新製品・サービスの認知拡大を図るツールとして活用できる点です。加えて、外部のトップランナーを審査員として招くことにより、専門的な視点や意見が取り入れられ、質の高い作品を選出することが可能となります。
さらにAWRDのプラットフォームを活用すれば、短期間・省コストでWeb上に公募ページと作品応募システムを立ち上げることができます。今回のデザインアワードも企画からページ公開まで2ヶ月弱というスピード感でプロジェクトを進めていきました。

プロジェクトで行ったこと

本プロジェクトでは、アワードプラットフォーム『AWRD(アワード)』を採用したデザインアワードを起爆剤として素材の認知拡大とファン獲得、新商品のアイデア創発の取り組みを決定。さらに、フロント社会長の松川氏が「新商品開発」に強い思い入れを持っていたことから、受賞商品の商品化をアワードのインセンティブに設定し、世界中のクリエイターから参加を募りました。

コンペティションののテーマを「豊かな暮らし」に設定し、『ARTSTEEL』 という素材でどれだけ幅広いアイデアを集めることができるのか。それを確かめるために、コンペティションのパイロット版として大学生に向けたアイデアソンを実施。コンペティションのコンセプトと募集テーマを検証。アイデアソンには、フロントのインターン生とロフトワークが独自に募集した大学生に参加いただきました。

プロセス

コンペティションをどう成功に導いたのか

デザインコンペティションを起点に、クリエイターコミュニティへの認知拡大

イベント・プロモーション施策:
コンペティションを盛り上げながら『ARTSTEEL』そのものの認知を広げるために、FabCafe Tokyoのローカルコミュニティを活かしたイベント・プロモーションを展開。MTRLが定期開催するピッチイベント『MTRL Meetup TOKYO』で素材に強い関心を持つ多くのデザイナー、クリエイターが参加するこの会に藤井氏自らが登壇。およそ60人の観客を前に、『ARTSTEEL』の魅力と製品開発、そしてコンペティションにかける思いを伝えることで、コミュニティのメンバーから多くの支持と関心を集めました。

▼イベントレポート
https://mtrl.com/magazine/material-meetup-tokyo-vol-03_report/

コンテンツの充実化:

『AWRD』では、作品募集ページのほか、応募作品の投稿状況が確認できるページ、結果発表、インタビューなど目的に応じたページづくりが可能です。
本プロジェクトでは、応募者が『ARTSTEEL』への理解を深めることができるよう、募集ページ内にフロント社 のインタビューや工場取材記事など、さまざまなコンテンツを用意しました。


クリエイターへのダイレクトなアプローチ:

『AWRD』は、3万人のクリエイターネットワークを持つプラットフォームでもあります。そのユーザーは日本とアジアを中心に、アメリカ、ヨーロッパ圏にも広がるため、日・英バイリンガルでの公募が可能です。AWRDのもつネットワークを駆使してメールマガジン、SNSで募集を募るほか、テーマに関心が近いと思われるクリエイターに対し、ダイレクトにアプローチがおこなえるものAWRDの強みです。

AWRDのプラットフォームなら、日英バイリンガルでの表示が可能

今後の活動


本プロジェクトをきっかけに、溜池山王の『ARTSTEEL』ショールームを訪れる人が増加。プロジェクトはメディアからも注目を集め、日経MJでは「サビで腐食を防ぐ建材」として『ARTSTEEL』が改めて紹介されました。それは『ARTSTEEL』の認知が着実に広がったことを実感した出来事でした。
これらのプロジェクトの成果・反響を足がかりに、商品化を目指して、Gold Prize を受賞した海外在住のクリエイターとの共創を進めるほか、MTRLでも、引き続き『ARTSTEEL』のサンプルを展示しており、更に多くのクリエイター/デザイナーに向けて『ARTSTEEL』との接点を提供していきます。

お問い合わせ・ご相談

「AWRD(アワード)」は、それぞれの人が持つクリエイティビティやアイデアと、世界中のプロジェクトをつなぐオープンプラットフォームです。コラボレーションの依頼、実績に関する質問など、AWRDについてより詳しく知りたい方は、以下よりお気軽にご連絡ください。
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