ぼくが生まれたとき、マイルスは20歳だって！？

ぼくが生まれたとき、マイルスは20歳だって！？
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20でNYにやってきたとき、マイルスはビビりまくっていた。
最初のレコーディングでとある歌手の演奏をしたら、消え入りそうな音でかすかに聞こえるほどの自信のなさだった。
ジュリアードを退学しようと国の親父さんに言いに行った。
「モッキンバードは他の鳥の真似がとてもうまいよ。でも、自分の啼き方を知らない」と親父は言った。
ディジーガレスピーが一番の演奏家だったが、彼ほどのスピードも高音も出せなかったマイルスは、参るッスわけよ。
でも、それからはイキラない演奏になった。
低い音で、間を持った演奏になった。間を持つことで共演者はすっと演奏に入り込めた。
彼は自分がスターであるより全体の調和を導き、結果いい演奏になった。
反対に、他のソロが終わるか終わらないかのうちに彼のソロがさっと割り込むというスタイルも作り出した。
常に新しいスタイルを求めた。
小さいときに森の中で聴いたという（多分幻想なんじゃないかと思うが）女性の歌が常に頭にあったという。
その音のイメージが出せたらと彼は常に言っていたらしい。
最後までそれはできなかったという。
でも出来っこないよ。彼が変化を求めた原点だもの。到達したらそれで彼ほ音楽は終わるから。
でもさ、
ぼくが生まれたとき、マイルスは20歳だって。
いつも先端を走っていたマイルスの音はいつも若かった。
ぼくがおぎゃ〜と言ったとき、彼はNYで一流楽団でトランペットを吹いていただなんて！そう、地球のこっちとあっちで、コラボしてたさ。