尾根伝いに走るリフトは風に弱い。
風に飛ばされて複雑な起伏を描く雪。ヒマラヤひだと呼ばれる山の模様は貴婦人の裳裾のように、一見優雅だ。
風にあおられてリフトが止まる。黙々とハイクアップをするスキーヤーとボーダー達。
リフトがあろうがなかろうが、ファストトラックを刻むのだという気概が背中にあふれている。
あんたも好きだねえ、とあきれて見送っていて、その直後リフトの椅子がレールに乗ってさあっと山肌を上り始めるのを見た。もうちょっと待ってやよかったのに。でも好きで辞められんのだろうなあ。思わず苦笑が漏れた