glass meadow

ススキ、ムギ、イネ、トウモロコシなどイネ科の植物の多くは、その細胞内に珪砂SiO2を溜め込む性質を持っている。珪砂でコーティングすることにより自身を倒伏や病害から身を守る仕組みである。ガラス質をもつ葉や茎は光や風を受けてキラキラと輝く。これらの植物が広がる風景は、工業的製造が始まる遥か以前より、我々人類がガラス質に対して抱いていた原風景と言えるのではないだろうか。

廃棄物として収集されたガラスやビンをグラスファイバーに再生し、都市の様々なパブリックスペースに植栽する。透明な繊維の重なりは均質的な空間にやわらかな疎密を生み出し、都市にガラス質の野原が広がってゆく。