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  • 1910

Pratyekabuddha Intention / 縁覚意志

「Approach to the Maitreya」というシリーズ作品、仏教の世界で三蔵と呼ばれる仏教聖典があり作品のストーリーの拠り所はそこにある。三蔵では、釈迦の時代が5000年で終わり、マイトレーヤ(未来仏、弥勒菩薩)が現れると書かれている。なお、今だマイトレーヤは出現していない。そのマイトレーヤへ接近する今をアート表現している。

「Pratyekabuddha(縁覚)」。「Buddha(仏陀)」から「Maitreya(弥勒)」が出現するまでの56億7千万年間である無仏世界にあり悟りに到達する存在。この「女性」は、縁覚に到達する一歩手前に在る。彼女がここに至るまでの生/死という限りない輪廻を繰り返し、あらゆる生命の海を超えて感じ見た風景/夢の情景を十二の作品として展示する。作品の奥には時を超えてそこに響く音があり、薫る匂いがあり、肌で感じる温度・質感がある。

縁覚(えんがく): 仏の教えによらず、ひとりで悟りをひらき、それを他人に説こうとしない聖者。辟支仏(びゃくしぶつ)と訳す。また独覚とも漢訳される。仏陀のいない世に生じて飛花落葉花が空にヒラヒラと舞い落ちる自然現象)を見て、全ては苦・空・無常・無我(四諦の法門)と悟り、仏法の一分を得て満足し、一人法悦をかみしめて、化他(けた・人を導く事)に出て人を救わざるが故に、この名がつけられた。

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