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二つの月

その他
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「ふたつなき 物と思ひしを 水底に 山の端ならで 出づる月影」
現代語訳:月はふたつもないと思っていたが、水底に、山の端でもないのに、月がでた

池に写った月を、水底に出たという感性がとても素敵だと思い、この古今集にある紀貫之の歌をデザインした。



和歌は遠い昔に生きていた人が詠んだものだが、今私達が読んでも美しい日本語や目の前に広がる情景、詠んだ人の気持ちが共感でき、同じように物思いにふけることもできる。
時がどれだけ流れても、なにかを美しいと思う人の心は変わらないのかもしれない。

この美しい情景を前に、物思いに耽る時間こそが日本の美しい時間だと考える。

時計のイメージは夜の水底に映る月の光と、山の端に出ている本物の月。

ベルトはスタンダードのブラウン15mm

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