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“レスキュウ”
”レスキュウ”の絵、出来た。
以前の展覧会に来てくれた人が、その展覧会の絵について記事を書いているのを最近になって発見した。
ぼくの絵は、継続している状況を瞬時に切り取ってしまったような感じがあると言っている。
あの時の絵も、極めて破廉恥な状況の夢を元にしていた。
ストーリーがでたらめながらある。
ピアニストがグランドピアノを弾き、そのグランドピアノに裸の女が潜り込もうとし、その背後には燕尾服の男が関わろうとしている。
そのピアノの横では、将棋の名人戦があって、まるで素人の対局のように待ったと手をかざしている。
その後ろでは真っ赤な犬がなきさけんでいる。
全体には雪崩で流されていく気配もある。
こうしたシーンは夢で見ている。
これを一画面に描こうとする。
夢、これはきっかけ。
きっかけが必要だ。夢はきっかけとして都合がいい。
支離滅裂であればあるほどいい。
今回の絵も夢をきっかけに描いている。
ぼくは”しのごの”考えてしまうのが常で絵が描けない。
この絵はパネルに張りつけてある紙をはがしている最中に、はがせている部分と地のパネルまで傷つけてしまったのとが混然とそていて、そのパネルのディテールが面白くて、なんのキッチリとした構想も無く考えつくままにダーマトグラフ(エンピツの一種)で描き、そのまま色を重ねていった。
あのアルプスでのピアノや将棋の絡まる絵はぼくが描く系列では特異なものだと思っていた。
今回これを描いて、系列が繋がった。
ぼくの生まれて来た時からの記憶が点や小さな面積で頭脳の中に散らばっている。
この頃、ようやくそうしたものを自然と系列化して行くような気がする。
なんだか今まで絵を描いて来て、生まれて始めて「ああ楽しかった」という気持ちでいる。
絵を描くのはしんどい事だ。
なにを描いたらいいのかまずは解らないと言う事から始まって、技術がない、何を表現しようとしているんだと言うのが解らない、等々、面白くない事に取り囲まれる。
それは結果的に神経質なこだわりのある面白くもない絵とんってしまう。
次に出すべき絵の具の色はこうだよと勝手に命令がやって来る。
ぼくはその通りに絵の具を出し、少し混ぜて画面に置く。
間違ってはいない。
手は自動的に筆にある絵の具の量と湿り気を正確に把握していて、動かすと表現したいタッチになっていく。
少々間違った事になっても、それは大した事ではないと誰かが言う。
こうして、今回の絵は出来た。
*絵の題名は「レスキュウ」
絶壁からロープを下ろして下に落っこちている人を助ける夢を見た事から題名を付けレスキュウで思いつく事を画面に入れ込んでいる。
題名は、きっかけに過ぎない。レスキュウを追求したわけではない。
以前の展覧会に来てくれた人が、その展覧会の絵について記事を書いているのを最近になって発見した。
ぼくの絵は、継続している状況を瞬時に切り取ってしまったような感じがあると言っている。
あの時の絵も、極めて破廉恥な状況の夢を元にしていた。
ストーリーがでたらめながらある。
ピアニストがグランドピアノを弾き、そのグランドピアノに裸の女が潜り込もうとし、その背後には燕尾服の男が関わろうとしている。
そのピアノの横では、将棋の名人戦があって、まるで素人の対局のように待ったと手をかざしている。
その後ろでは真っ赤な犬がなきさけんでいる。
全体には雪崩で流されていく気配もある。
こうしたシーンは夢で見ている。
これを一画面に描こうとする。
夢、これはきっかけ。
きっかけが必要だ。夢はきっかけとして都合がいい。
支離滅裂であればあるほどいい。
今回の絵も夢をきっかけに描いている。
ぼくは”しのごの”考えてしまうのが常で絵が描けない。
この絵はパネルに張りつけてある紙をはがしている最中に、はがせている部分と地のパネルまで傷つけてしまったのとが混然とそていて、そのパネルのディテールが面白くて、なんのキッチリとした構想も無く考えつくままにダーマトグラフ(エンピツの一種)で描き、そのまま色を重ねていった。
あのアルプスでのピアノや将棋の絡まる絵はぼくが描く系列では特異なものだと思っていた。
今回これを描いて、系列が繋がった。
ぼくの生まれて来た時からの記憶が点や小さな面積で頭脳の中に散らばっている。
この頃、ようやくそうしたものを自然と系列化して行くような気がする。
なんだか今まで絵を描いて来て、生まれて始めて「ああ楽しかった」という気持ちでいる。
絵を描くのはしんどい事だ。
なにを描いたらいいのかまずは解らないと言う事から始まって、技術がない、何を表現しようとしているんだと言うのが解らない、等々、面白くない事に取り囲まれる。
それは結果的に神経質なこだわりのある面白くもない絵とんってしまう。
次に出すべき絵の具の色はこうだよと勝手に命令がやって来る。
ぼくはその通りに絵の具を出し、少し混ぜて画面に置く。
間違ってはいない。
手は自動的に筆にある絵の具の量と湿り気を正確に把握していて、動かすと表現したいタッチになっていく。
少々間違った事になっても、それは大した事ではないと誰かが言う。
こうして、今回の絵は出来た。
*絵の題名は「レスキュウ」
絶壁からロープを下ろして下に落っこちている人を助ける夢を見た事から題名を付けレスキュウで思いつく事を画面に入れ込んでいる。
題名は、きっかけに過ぎない。レスキュウを追求したわけではない。
