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入間市黒須1丁目、蔵。

入間市黒須一丁目、蔵。

わが町、それも同じ黒須に凄い蔵がある。
ここは昔生糸の産地で、16号線の向こうに公団住宅があるが、そこが生糸の工場で、そこで作られた生糸を、この蔵に保管した。
3階建てと言う蔵も珍しいと思う。また、壁はまったくの土蔵造りだけど、屋根は西洋的なトラス組構造で建築家は貴重な資料だと言っている。
ここで、ぼくと清水くんとでやっている SCREEN & VISION SHOWを本拠地として何度か使わせてもらっている。
SCREEN & VISION SHOWはセッティングが大変で、何度もプロジェクターの焦点距離や画角を実際に写して微調整しないといけない。
テスト期間だけでも、何日も費やす。
オーナーのご理解で、比較的安価な賃料で貸して頂いている。

この黒須という場所は、入間市で特異な場所である。
醤油工場、織物工場、のほか、かつては醸造酒の工場、そしてこの生糸の産地など、数々の産業の中心地だった。
今は寂れてはいるが、入間に住んでいる人ですら、この地が価値のある場所だと認識していない。

これからの時代を、ぼくは経済や金オンリーの時代と見れば先が見えていると思う。
文化と経済は両輪であって、いま、文化は飾り物位の認識しかない。

かつての文化と産業の良いバランスを持っていたこの黒須という地をベースに人々に「地域の文化」や、「個人からの発信」を投げかけようと思っている。
その象徴的な発信基地としてこの蔵が活かせないかと思っている。

*絵はこの蔵の裏側から見た所。
 窓には漆喰で作った分厚い扉があったはずだが、今はほとんどくずれてしまって、木で組んだ骨組みだけが残っている。

おおよそ100ねんほどの年月がこの蔵にかかっている。

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