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新・花形装飾活字『水草』 組み見本

新・花形装飾活字『水草』

日本の美意識と、活版印刷という名のシステマチックは結合するかどうか、という問いに対する1つの答えとして、「新・花形装飾活字『水草』」はあるように思います。日本の美はしばしば、型として表現される場合があるが、それは果たして機能として型であったのでしょうか。西洋は、機能を型として花形装飾活字という印刷で繰り広げられるシステマチックな美の自由を追求しました。では日本はどうであったでしょうか。琳派に代表される型としての図案は、機能としての自由を追求した結果とは言えないでしょうか。図案に変化が無いまま、その利用が現在にも渡って工夫がなされている事実というのは、そこに機能に対する柔軟さを選んだ結果とも言えますし、技術を底辺としない普遍的な美意識の確立に成功していたと言えると思います。技術が変化しても対応出来る美意識の存在は、まさに印刷がデジタル処理によって運営されている昨今の状況への対応に非常に似ていると言えますし、日本における、印刷に対しての技術の多様性は、まさに印刷に関わる私達は、知らずの内にデザインという西洋の概念を取り入れつつも、ウマい事ローカライズしていた結果なのではないでしょうか。では、型の存在はどうか。技術の自由は手に入れているのにも関わらず、美の軸となるはずの型の存在がブレていては、自由の謳歌の達成は難しいように感じます。「新・花形装飾活字『水草』は、その要求に答える為に生まれました。根本とする美の在り方に対する揺らぎが、昨今のデザインを支えているのだとすれば、早急に手を打たなければなりません。

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