”静脈静脈と動脈”

”静脈と動脈”
天国と地獄が「透明と真っ暗闇」だと考察したら、このごろ描いている絵が車なのに「静脈と動脈」ということばが出て来てしょうがない。
「透明と真っ暗闇」も、目には見えない。天国地獄は何処かで繋がっているんだ。
「静脈と動脈」にしたって、結局は心臓に至ってメビウスの輪のように繋がって仕舞う。

フェアレディーZというぼくにはあまり感心の無い車だけど、麻田さんの家の前の駐車場に止まっている。
ある時、妙に目についたのはなぜだろうか。ダークローズがかった赤色が面白かったのか？
その寸前に見ていた、稲荷山公園駅に向かう道が大きく左に曲がり急坂になるのを眺めて、その風景を描いて、このフェアレディーをむりやりのっける構想がぼんやりと浮かんだ。
でも何となく意識が一致しない。
コットマンという紙の全紙が残り二枚になった。パネルに張るには１m×70cmのパネルが出来るが、それを作った。
それに描く事を思い浮かべるとしばらくは脇にひかえていた、このフェアレディーが出て来た。
べつに、こけしでも良かったくらいのテーマだ。
ぽつんとテーマを与えて、それに何の衝動を与えるのか？
はじめての試み。
下地に、でたらめなものを大きな刷毛で描いている。
抽象作家ってこうやった描いているんだ。
毎日１０枚以上描けるじゃないか？なんて思わず思ってしまった。
それからこのフェアレディーを落として行った。
筆で硬質な線を描こうとしたが、だらだらとしてイカさなかったけど、気にしないようにした。
今日はとても暑かったようだ。
ぼくの画室にはエアコンがない。でも、「♬少しも、暑くはないわ！」
高山の剣の刃の尾根を行くが如く。少しいやなイメージを抱けば尾根を転がり落ちる。
なんとかいいイメージにする為に、今やっている事を安全な方向に納めるのではなく、わざと尾根の谷の方に身を乗り出さす。
悪い印象もどうでも良く成り、さらにもっと面白いイメージに変化する。
終った。


コットマン紙パネル100x70cm
アクリル絵の具