CREATIVES

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”みんな、場ちがい”

この絵の人物は別個にラフでメモしていたものが基となった。
ぼくは人物など特に真面目に描く癖があり、そのメモはいい加減に描いたので、とても嬉しく思った。
その二つをパネルに描き込んだ時には単に2人の人物が走っていることしか思ってなかった。
描いているうちに、”走りのドジな奴”と”突っ走る奴”という対応がおのずと出て、先ほどから言っている、人の意見の違いとかが頭の中で競争を始めた。
これは、あくまで、筆を進める上でのカンフル剤のようなもので、これで政治的な何かを発言しようなんてものではない。
きっちり描くのが習性なので、できるだけそうならないようにと気を付けた。
ポンと筆を置いたその姿を瞬時に見てそのまま判断する。いいのはそれを残した。
人の足が、それによって足に見えなくなってもそれでいいと思った。
筆の跡が信号になる、信号がいっぱい生まれる。
てんでバラばらに発信する。
はるかかなたの宇宙から発信されるメッセージみたいにやたら沢山信号があったほうが面白いか?

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