絵は基本的に、ホワイトジェッソの支持体の上に、アクリル絵の具のブラックを使い、下描きなしの一発で描いています。描き直しは一切しません。当然人間ですから、途中、線がゆがんだり線を失敗したりもあるのですが、その失敗した線をどう生かすか、それをどう別の線に描き変えていくか、それを考えつつ最終的な絵を完成させています。
ですから、最初の絵の方向は決まっていても、最終的に絵がどうなっていくかはやってみないとわかりません。自分では一度限りの人生と似ているなあ、なども思っています。一瞬一瞬が二度とない時間、小さな一瞬、思いがけない出来事、ちょっとした成功や失敗が別の方向を生むように、絵に関してもそうした部分が途中に加わることで、全体に味が出ると思って、あえてそうしています。
この絵は数年間寝かせても良いと思える絵でした。大きな流れの中にあっても流されず、日常生活の中にあっても主張しすぎず、ただずっと傍らに居続け、見守ってくれる大切な存在です。
活動
Illustration, Fine Art, Others
Awards
言語
日本語