合宿概要
Smart Craft Studioは、Fabcafe Hidaで毎年開催される3週間の集中デザイン・プロトタイピング合宿です。この合宿では、日本の伝統木工技術とスマートな人間中心技術との統合を目指します。今年のテーマは「Animating Craft」です。
今年のスタジオでは、アートやデザインという観点から、木工や感覚処理、コグニティブA.I. (人工知能) を通じて、人間と人工物の間に有意義な関係を生み出す画期的な方法を探ります。参加する生徒たちは、林業を基礎から徹底的に学び、地元の職人から飛騨伝統の実践的な組木技術を身につけ、オープンソースやモジュラーIoT (モノのインターネット) ハードウェアを使ったプロトタイピング法を会得し、生の感覚データから新しいユーザーインサイトを生み出す新しい種類のA.I.を使って実験します。
Smart Craft Studioのチームは、世界的なデザイナーやデザインテクノロジストと協力して、アーティストやデザイナーのためのテクノロジー・ワークショップを作っています。目標は、技術的なハードルを最小限にして、アーティストやデザイナーがより早くより円滑に創造過程に取りかかれるようにすることです。この企画は、やる気に満ちた学習環境と経験豊かな技術指導者、細かい案内と指導、前もってプログラムされたコードテンプレート、モジュラーIoTプロトタイピングツール、そして現場の技術スタッフを用いて進められています。
生徒たちはチームに分かれてプロトタイプを作り、各チームは3週間の合宿の最終日に機能的なプロトタイプを発表します。
スタジオは、ファッション、商品デザイン、双方向メディア、建築など異なる分野からチームを構成します。合宿は主に英語で行われ、日本語からの通訳が入ります。
今年はIoTやA.I.を活用し、アートやデザインという観点から、人間と人工物の間に有意義な関係を生み出します。
2016年に開かれたSmart Craft Studioでのプロトタイピングの様子
2016年に開かれたSmart Craft Studioで作られたプロトタイプ
飛騨について
飛騨は、岐阜県北部に位置し、その伝統組木技術や家具産業、林業で知られています。景色の美しい村や、伝統工芸、郷土料理、自然環境も有名です。
飛騨の森。飛騨は面積の93%が豊かな森林で、そのうち70%を豊富な天然広葉樹が占めています。現在、天然の広葉樹林は数多く残っていません。広葉樹は豊かな土地ときれいな水を生むことで健康的な環境と食材を作り出します。
募集期間
本合宿の募集期間は2017年2月15日から2017年3月31日までです。締め切りは3月31日東部標準時24:00 (3月31日台湾標準時13:00) です。
初めの締め切りの3月19日までに提出された申込書は委員会委員によって検討され、4月上旬までにメールで結果をお知らせします。
3月31日までに提出された申込書は4月中旬までに検討され、メールで結果をお知らせします。
合宿期間:2017年5月28日〜2017年6月19日
合宿費用:US$3,450
飛騨合宿の授業料、宿泊費、木工機械操作の保険金、プロトタイプの材料に使う木材は合宿費用に含まれています。
交通費 (航空券や現地の交通機関など) は合宿費用に含まれていませんので、ご了承ください。
**合宿中の食事については、参加者は追加料金でオプションの食事付きプランを利用いただけます。
参加資格
本合宿は以下の大学に在学中の学生が対象です:
Parsons School of Design /Shih Chien University/The University of Hong Kong/University of Toronto
スタジオ: FabCafe Hida (岐阜県飛騨市古川町弐之町6-17)
合宿期間: 2017年5月28日〜2017年6月19日
登録締め切り: 2017年3月31日
開催場所
ヒダの森でクマは踊る
審査員
スタジオ講師
Kyle Li
パーソンズ・スクール・オブ・デザインのコミュニケーションデザイン&テクノロジー助教授
ニューヨーク市を拠点とするインタラクション&ラーニングデザイナー。彼の作品や研究は、相互接続した物理的およびデジタルの要素に現れる遊び心に満ちた学習体験を中心とする。2008年に、ゲームデザインとメディアラーニング理論を配慮した完全に新しい設計の世界初の公立学校の建設に協力。後に、ビデオゲーム学習を称えられ、ベストインクラス・イノベーション賞とピープルズ・チョイス賞をHASTACとホワイトハウスより授与される。2014年秋にパーソンズ・スクール・オブ・デザインのBFAデザイン&テクノロジーのプログラムディレクターになる。自身のプログラムで、初の完全インディーゲームデザイン・パスウェイと真新しい人間中心の創造的技術パスウェイの設計に協力し、後押しする。2012年の暮れにバーチャルリアリティのコンテント実験を支持し始める。最近は、VR・AR・MRの有意義でインタラクティブで詩的な体験のデザインと開発法を生徒に教えるImmserive Storytellingという副専攻の研究を名誉ある同僚らと始めている。
Ruei-Yi Yen
実践大学ファッションスタイリング&デザインコミュニケーション講師
グラフィックデザイナー兼大学講師で、製本・印刷を専門とし、エディトリアルデザイン、タイポグラフィ、ブックデザイン、図版情報など複数のデザイン職を持つ。職業を掛け持ちしているため、実践大学の講師と自身の専門職を往復する生活を送っている。最近は、主な指導内容をまとめた、視覚と触覚で探る製本術についての本を出すよう依頼を受けている。個展『Collab: Zine Safari』は8月10日から9月11日までヨンアン・アーツ・センターで開かれる。著書『Bookbinding——Experiencing through Flipping』は2017年に出版される予定。
Chia-Ying Lee
実践大学コミュニケーションデザイン助教授
スペイン・サラマンカの美術学部で修士号を取得。現在は、実践大学コミュニケーション・デザインの助教授を勤めている。また、UPVバレンシア工科大学で博士号を取得する。インタラクションデザイン、デザイン教育、マルチメディア、デジタルゲームデザイン、インタラクティブスクリプトの研究に興味を持つ。インタラクションデザインの美しさを生徒に伝えることに専念している。
Harvey Chung
香港大学建築学部助教授
建築家、デザイナー、また起業家。ロフトワーク香港の共同創立者であり、香港大学建築学部の助教授も勤めている。イェール大学で建築学の修士号を取得し、12年以上のデジタルデザインと製造の経験を持つ。ロフトワーク香港を起業する前は、香港の世界的に有名な建築家のリードデザイナーおよびプロジェクトマネージャーを7年以上勤める。
Mauricio Quirós Pacheco
トロント大学助教授
ジョン・H・ダニエルズ建築・ランドスケープ・デザイン学部の助教授。ハーバード大学で都市計画建築学の修士号を優秀な成績で取得し、コスタリカのデザイン大学で建築の学士号も取得する。2010年から2014年までカナダ建築センター (CCA) 長官室の研究員を勤め、アメリカやヨーロッパでもスタンレー・サイトウィッツ事務所やレンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップなどのオフィスで働いた経験を持つ。
ゲスト講師: 小林茂
情報科学芸術大学院大学 (IAMAS) 教授
メディアデザインの博士であり、情報科学芸術大学院大学の教授。電子楽器会社にサウンドデザイナーおよびソフトウェアエンジニアとして勤める。GainerやArduino Fio (スパークファン・エレクトロニクスと共同で) などのオープンソースハードウェアを設計し、物理的コンピューティングやプロトタイピングについて本を (日本語、韓国語、台湾語で) 出版する。2011年には、インタラクションデザイナーとしてデザインコンセプト部門のレッド・ドット賞を受賞。最近は、ローカル情報技術産業から人を増やし、イノベーションを作るため、産業間共通のイノベーションプロジェクトを促進している。