FabCafe Kyotoが主催するSPCSシーズン3のテーマは「色」。グラフィックデザイナーで採集家でもある吉田勝信さんとともに、採集物からインクを創り出す実験を2カ月にわたって実施し、大量生産に適した色として既に開発されている安定的な色とは異なる色を創り出すことを目指します。不安定さを受け入れることで、これからの表現と産業はどのように変わるのでしょうか?
不安定さを受け入れることで、表現と産業は変わるか
インク、クレヨン、ペンキ、染料。私たちはあらゆるものに色を付けます。私たちが普段使うものは、色の再現性が高い大量生産品が多くを占めますが、それらには「不安定さ」が許されていません。しかし、色の不安定さを受け入れたとき、私たちの表現はどのように変わるのでしょうか。 また、そうなったときに、より多彩な原料や新たな製造プロセス、生産単位など、製造方法の可能性も広がるのではないでしょうか。
採集物からインクを創る
そこで今回は、採集物からインクを創り出す実験を2カ月にわたって実施します。講師はグラフィックデザイナーの吉田勝信さん。彼はForaged Colorsというプロジェクトで、素材をあらゆる方法で採集し、顔料(色の元となるもの)とメディウム(顔料を定着をさせる糊)を開発することで、色を選ぶのではなく、創ること自体を開こうとしています。なぜなら、大量生産に適した色としてすでに開発されているものとは異なる色を創り出すことができたら、これからのクリエイティブの形が大きく変わる可能性があるから。
インクを作るためには顔料とメディウムが必要です。今回のワークではいずれも制作しますが、特に実験要素の多いメディウムの開発実験に注力し、オリジナルインクの開発に挑戦します。2ヶ月後、20通りの顔料とメディウムが完成し、参加者同士で組み合わせを実験しあっても面白いかもしれません。また、ワークで生まれたレシピはオープンソースとして公開予定です。(20種類の顔料×20種類のメディウム=400通りのインクのレシピができるのでしょうか?)一緒に、世界に向けて、新しい彩色の形を提案しましょう!
イベント詳細はこちら→https://fabcafe.com/jp/events/...
プログラム/スケジュール
Day1|レクチャー
4月14日(金)18:00-21:00 @オンライン
- イントロダクション
- インクについてのレクチャー
- 顔料を学ぶ
- メディウムを学ぶ
- 版画/印刷の基礎手法を学ぶ
- 宿題
- 顔料とメディウムになりそうな素材の採集
Day2|試作
4月30日(日)14:00-17:00 @FabCafe Kyoto
- アイスブレイク|素材をひたすら砕く
- 採集した素材でメディウムをつくる
- 試し刷り
- 宿題
- 試作プロセスのドキュメンテーション
- 仮説、検証、課題
- 試行錯誤したデータ、レシピの記録
- 素材の採集と検証
- 試作プロセスのドキュメンテーション
Day3|フィードバック
5月26日(金)19:00-21:00 @オンライン
- 作成したメディウムと顔料、試し刷りの結果を共有
- フィードバックとナレッジシェア
- アウトプット(印刷/版画方法)についてのアドバイス
- 宿題
- フィードバックを踏まえた再試作
- 試作プロセスのドキュメンテーション
- 仮説、検証、課題
- 試行錯誤したデータ、レシピの記録
Day4|作品発表
6月18日(日)14:00-17:00 @FabCafe Kyoto
- 版作り(時間外、Optional)
- 最終作品を刷る(FabCafeで作品展示予定)
- 交流会