プログラムについて
Smart Craft Studioは、組み木の名で知られる伝統的な木工技術と、フィジカルコンピューティングおよびプログラミングの融合を目的に、デザインプロトタイピングをおこなう、3週間の集中プログラムです。組み木の手法は、木材が互いに固定し合う接合方法であり、建築から玩具用の木製パズルといった幅広い用途で用いられています。
参加者は本プログラムの中で、木材の伐採過程について学び、熟練の職人から実地指導を受けて伝統的な組み木 (木組み) の技術について、さらに、オープンソースのハードウェアと情報科学芸術大学院大学 (IAMAS) の小林教授より提供されたセンサーを使用してフィジカルコンピューティングについても学習します。
週末には、現地の職人の工房や家具工場を訪問し、観光ツアーも実施します。
デザインスタジオで参加者は、チームで作業をおこない、Smart Craftオブジェクトのプロトタイプ、つまり、利用者または周辺環境に応じることが可能なモジュラーシステムを作成します。各チームは3週間のプログラムの最後に2通りの機能プロトタイプを発表することが求められます。
本プログラムは主に日本語から翻訳した英語で実施されます。
飛騨について
日本の岐阜県北部に位置す飛騨は、伝統的な木材の接合手法 (組み木) や生産する家具、林業で有名です。この地域は美しい村の風景や、伝統工芸、郷土料理、さらには自然に囲まれた環境でも知られています。
本プログラムの応募資格
本プログラムの募集対象は、以下に挙げる大学に現在在籍している学生です。
*Parsons School of Design
*National Chiao Tung University, Graduate Institute of Architecture
*University of Toronto, John H. Daniels of Faculty of Architecture, Landscape, and Design
応募方法
応募資格のある希望者は、申込フォームに記入し、以下のリンク先にアップロードされるポートフォリオから2つのプロジェクトを選択することができます。
募集期間
本プログラムへの応募期間は、2016年1月25日から、2016年2月29日です。東部時間2月29日23:00 (台北時間3月1日午後12:00) に応募は締め切られます。
合否結果は3月初旬に、メールにて通知します。
プログラム日程
2016年5月28日~2016年6月20日
プログラム受講料
3,450USD
本プログラム受講料には、プログラム授業料、飛騨でのプログラム実施時の宿泊料、木材加工設備の使用に関する保険料、ならびに、プロトタイプ素材としての加工済み木材の料金が含まれます。
(航空券や現地での交通費などの) 移動のための費用は、プログラム受講料に含まれませんので、ご注意ください。
** プログラム中の食事については、別途有料オプションで食事プランを利用することができます。
開催場所
ヒダの森でクマは踊る
審査員
スタジオインストラクター
Wei-Han Vivian Lee
トロント大学助教授
W.H. Vivian Leeは、LAMASの創設者であり現在代表を務めています。彼女の建築における役割は、労務、熟練作業、その地域の伝統ならびに装飾を重視したものです。Vivianは自身のLAMASでの業務に加えて、トロント大学建築学部の助教授も務めています。LAMASを設立する以前、VivianはニューヨークシティにあるSHoP ArchitectsとLTL Architectsにプロジェクトマネージャーとして所属していました。Leeはハーバード大学デザイン大学院で修士号を取得しました。2016年には、彼女の書籍「Building Stories: At Work in Contemporary Practice」が出版予定です。
June-Hao Hou
国立交通大学助教授
June-Hao Houはアーティスト、キュレーター、リサーチャー、ならびにデザインコンサルタントとして活動しています。数学、ビジュアルコミュニケーション、デジタルアートおよびミュージック、プログラミング、さらにはデジタル建築といった多様な背景をもつ彼は、ニューメディア、デザインコンピューティングならびに情報工学、デジタルクラフト、HCIならびにフィジカルコンピューティング、ブリッジングテクノロジーを含む、新進のテクノロジーと他分野にわたるデザインのリサーチを実施し、それを教えています。Hou博士はハーバード大学デザイン大学院で取得したMDesS & DDes (デザイン学修士号および同博士号)、ならびに、台湾の国立交通大学で取得したMA (修士号) を保有しています。彼は現在、Graduate Institute of Architectureの修士課程ならびに博士課程のプログラムディレクター、さらに、国立交通大学では、実験的アートパフォーマンス・グループのtransArtと、Solar Decathlon Europe 2014で賞を獲得したOrchid Houseプロジェクトでテクニカルディレクターを務めています。
Kan Yang Kyle Li
パーソンズ・スクールオブデザイン コミュニケーションデザイン&テクノロジー助教授
Kyle Liは、スクリーンを使用しないディスプレイ設備用のプレイエクスペリエンスのデザインを専門とする、インタラクティブメディア・デザイナーです。コンサートステージの視覚効果から、航空機の操縦席のデータのビジュアル化、さらには、受賞歴のある中等学校用ゲームおよび学習設備にいたるまで、彼の業績は幅広い分野にわたります。最近では、ニューヨークにあるパーソンズ・スクールオブデザインで、クリエイティブテクノロジーとゲームデザインの2つの大学院課程の新設のデザインに尽力しました。Kyleはまた、イマーシブテクノロジーによるストーリー展開や、2016年秋に発表予定の仮想現実といった分野の新たなニッチな研究にも取り組んでいます。現在、パーソンズ・スクールオブデザインでデザイン&テクノロジーBFAプログラムの責任者を務める彼のミッションは、現代のアーティストや学生にクオリティと最新のデザインおよびテクノロジーの教育をもたらすことです。
ゲスト講師:小林茂
情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 教授
小林茂は、情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] のメディアデザイン博士であり教授を務めています。彼はGainerやArduino Fio (SparkFun Electronicsとの共同) といったオープンソースのハードウェアのデザインをおこない、フィジカルコンピューティングおよびプロトタイピングに関する書籍 (日本語、韓国語ならびに台湾諸語で出版) を執筆しています。彼は2011年に、デザインコンセプトの分野で、インタラクションデザイナーとして、レッド・ドット・デザイン賞も受賞しています。最近では、ローカルとIT業界の人員を増加させてイノベーションを創出する産業間にまたがるイノベーションプロジェクトを運営しています。