つくばサイエンスハッカソンVol.1 〜ホロビオント~
G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合開催記念
つくばサイエンスハッカソンとは
「つくばサイエンスハッカソン」は2019年3月~5月に茨城県つくば市で開催する科学と芸術 が出合うハッカソンです。29の研究・教育機関と1万人の研究者が集積する研究学園都市つく ばを拠点に研究者とアーティストがチームを組み、研究者たちが魅了される研究とその研究結 果がみせてくれる世界の新しい姿を作品の形で表現することに挑みます。制作した作品は5月 につくば市にあるさくら民家園で展示します。
つくば市役所メッセージ
つくば市は、過去から先人たちの努力により守られ創られてきたまちを、敬意と感謝をもって 未来の世代に継承し、持続可能な発展を目指しています。それは、「生命」の繋がりを脈々と受 け継ぐことでもあります。
G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合を契機とするつくばサイエンスハッカソンでは、 デジタル技術を活用しながら生命の強さ、美しさ、尊さを表現することで言語を越えた共感を 生み出します。また、研究者の成果を素材に生命を表現することで、科学技術とアートの融合 により、研究学園都市としての更なる発展へと繋げていきます。
ぜひつくば市にお越しいただき、筑波研究学園都市の創造性や多様性をご体感ください。
ハッカソン実施概要
ハッカソン作品制作テーマ「ホロビオント」
「ホロビオント(holobiont)」は進化論学者リン・マーギュリスが提唱した複数の異なる生物が 共生関係 (symbiosis) にあり、不可分の一つの全体を構成している状態のことを表す概念です。
たとえば造礁サンゴは、褐虫藻やバクテリア、古細菌、菌類が非常に複雑に相互作用するひと つのホロビオントです。また、最近の研究では、人間も腸内細菌が行動や感情、意思決定にま で影響を及ぼしていることが明らかになっており、ホロビオントの一種だと言えそうです。これ からの地球環境や健康を考える上では、生物を個体としてのみ見るのではなく、複数の生物 が共生するホロビオントとして見ることが大事なのではないでしょうか。
一方、VRやパワードスーツのように人間の身体・認知能力を向上する試みは人間と機械の境 界線の見直しを迫っています。人工知能やロボットが仕事や生活のシーンに入り込んでくる未 来では、人工物と人間の関係もホロビオントとして捉える視点が必要になります。
サイエンスハッカソンでは研究者とアーティストとともに様々な”ホロビオント”を表現すること を通して、これからの“共生”を考えます。
開催プロセス
- 3/2 : Day1 チームビルディング・アイデアソン
- 参加者全員での顔合わせ、チームビルディング、アイデア出しを行います。
- 3/16 : Day2 プロトタイピング
- チームで試作をしながら作品の方向性を決めていきます。
- 4/7 : Day3 作品発表会
- チームごとにできた作品を発表します。
展示概要
名称:つくばサイエンスハッカソンVol.1 ~ホロビオント~
展示期間:2019年5月10日(金)-2019年5月19日(日)
場所:さくら民家園 〒305-0031 茨城県つくば市吾妻2丁目7番地5(中央公園内)
入場料:無科
開場時間:10:00-18:00(最終日の5/19は16:00閉館)
審査員
芝原 暁彦<参加 研究者>
古生物学者、博士(理学)
専門は地球科学、博物館学、3D-CAD、GIS。18歳から20歳まで福井県の恐 竜発掘に参加し、その後は北太平洋やオマーンなどで微化石の調査を行 う。筑波大学で博士号を取得後は、産業技術総合研究所で化石標本の3D 計測や3Dプロジェクションマッピングなど、博物館展示と地球科学の可視 化に関する研究を行った。2016年にはこれらの技術をもとに産総研発ベン チャー「地球技研」を設立。「未来の博物館」を創出するための研究を続けて いる。また東京地学協会、日本地図学会の各委員を兼任。 「化石観察入門」(誠文堂新光社, 2014)「ああ、愛しき古生物たち - 無念に も滅びてしまった彼ら」(笠倉出版社, 2018)など著書多数。研究以外でもブ ラタモリ(NHK.)などへの資料提供などを行う。国土交通省 G空間 EXPO2013 Geoアクティビティフェスタ 優秀賞 (2013)
望山洋<参加 研究者>
筑波大学大学院システム情報系准教授
柔軟ロボット学研究室を主宰。ソフトロボット研究者。早稲田大学大学院電 気工学専攻で修士(工学)を取得後、北陸先端科学技術大学院大学 (JAIST)情報科学研究科に進学し、博士号取得。博士(情報科学)。JAIST助 手、防衛大学校機械システム工学科助手・講師、 名古屋工業大学トヨタ自動車寄附講座「技と感性の力学的触覚テクノロジ 一講座」助教授を経て、現在に至る。2010年より2年間、内閣府政策調査員 を併任。ソフトロボティクス, 特にロッド理論を駆使したシステム論を得意と する。また、弾性ロッドの飛び移り座屈を利用した跳躍ロボットなどを開発 している。触覚テクノロジーの研究にも長年従事し、微小な面歪を精度よく 検出する触覚センシングシステムなどを開発している。最近では、新学術領 域「ソフトロボット学」に参画し、動物の体幹のしなやかさの解明に関する研 究に携わっている。
大森 裕子<参加 研究者>
筑波大学生命環境系助教
東京都生まれ、千葉県育ち。筑波大学第二学群生物学類卒業後、同大学院 生命環境科学研究科で博士号(理学)取得。国立環境研究所の地球環境研 究センター特別研究員を経て、現在は筑波大学水圏生態学研究室で海洋 微生物による物質循環の研究を行うほか、生命環境系助教として学生の指 導にあたる。
郡司 芽久<参加 研究者>
2017年3月 東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程修了。博士 (農学)。同年4月より、日本学術振興会特別研究員PDとして国立科学博物 館に在籍。解剖学・形態学を専門とし、哺乳類と鳥類を対象とした筋肉や骨 格の構造、体の動きの仕組みについて調べている。幼少期からキリンが好 きで、大学院時代よりキリンの首の構造と動きの仕組みについて研究を行 なっている。第七回日本学術振興会育志賞受賞.
お問い合わせ
本プロジェクトについてお問い合わせがありましたら、G20大臣会合推進室(担当:前田)ま でお問い合わせください。所在地/〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1電話029-883-1111