概要
テクノロジーの発展により、表現の世界は、これまでの2次元から現実世界と通じる3次元の豊かな領域に向かうであろう。そんな近未来に向け、プログラミングスキルがなくとも、Web上で誰でも気軽にVRコンテンツを制作・配信することができる画期的なVRプラットフォーム「STYLY(スタイリー)」を開発している株式会社Psychic VR Labは、海外市場に挑むための戦略を求めていました。そこでロフトワークは、Psychic VR Lab、株式会社パルコとともに、「STYLY」を使用した新たな表現の追求と、次世代のクリエイターを世界中から発掘し育成するプロジェクト/コミュニティを提案、実行しました。それが「NEWVIEW(ニュービュー)」プロジェクトです。
主な成果
ゴールド / Gold (1作品):賞金 20,000USD
シルバー / Silver(3作品):賞金 5,000USD
PARCO賞(1作品)
KALEIDOSCOPE賞(1作品):Kaleidoscope賞の受賞証明書、1ヵ月のインターンシップ
松武秀樹賞(1作品)
CINRA賞 (1作品)
・2019年度のプロジェクトの開催
プロジェクトページ
https://newview.design/
受賞作品
審査員
今まで類を見ないVRのコンペティションアワードということもあり、VRの概念を一度壊しまっさらな状態から新しい空間表現を考えていきたい、と考えました。そこで、審査員は、企画、映像、音楽、ファッション、アートなど、さまざまな分野の第一線で活躍されてきた方々の参加を依頼しました。
クライアントの課題と背景
VRの研究開発を行うためのラボとしてスタートしたPsychic VR Lab。野球のバッティングフォーム改善ツールや小児歯科向けのVRコンテンツ開発などを行っていました。しかし、ファッションデザイナーとのコラボレーションを機会に、VRを通じてアーティストの創作意欲を解き放つようなプラットフォームが必要だと強く感じ、誰もが簡単にVRで新たな表現と体験が生み出せる『STYLY』を作りました。
現在、VRのデバイス市場を牽引しているのは、欧米や中国企業。ロフトワークはPsychic VR Labチームと共に、世界市場を見据えた戦略を策定。その戦略とは、クリエイターコミュニティを軸に、ファッション/カルチャー/アート分野の新たなVRカテゴリーを創造し、世界規模でのムーブメントにすることでした。
まず対象ユーザーを深く知るためのリサーチを行ったところ、メディアとしてVRに興味を持っているクリエイターが世界に存在することを実感し、AWRDのプラットフォームを活用したグローバルアワード「NEWVIEW AWARDS 2018」を開催を決定、世界中のクリエイターから参加を募りました。
なぜアワードを選択したのか
アワードは、多種多様かつ優れたクリエイターが参加するための広い間口となります。これまで主流であった、限られたメンバーによるプロジェクトでは成し得なかった、新たな表現の先駆けとなる優れたアイデアや作品を発見、発信が可能になることがこの手法を取り入れる意義でもあります。
「NEWVIEW AWARDS 2018」は、数多くのクリエイティブ・アワードや共創プロジェクトを企画設計・実行してきたロフトワークがクリエイティブのパワーにより大きな価値を創り出し、社会をより魅力的にするために立ち上げたサービス、AWRDのプラットフォームを活用して行われました。
プロジェクトで行ったこと
プロジェクト当初から、世界のマーケットをターゲットに見据えていました。海外市場に挑むための戦略として、ロフトワークは、コンセプト策定、プロジェクト/コミュニティ設計、制作ディレクション、イベント企画など一連のコミュニケーションデザインを支援しました。
プロセス
アワードをどう成功に導いたのか
世界中のクリエイティブクラスタと繋がりを創る
NEWVIEWの海外進出において、大きな役割を担うのが海外でのユーザーコミュニティ作りです。ここでもロフトワークがプロデュースを行うデジタルものづくりカフェ「FabCafe」の海外拠点が持つローカルコミュニティを活用し、クリエイターを集め、「STYLY」のハンズオンワークショップと、3次元空間での制作についてインタビューを実施しました。これにより、各地域におけるNEWVIEWとSTYLYへのユーザーインサイトを掴むことができたほか、アワード募集へのPR効果にも繋がりました。
質の高い作品が応募される仕組みをつくる
アワードのPR:
プロジェクトスタート時には、東京を舞台に活躍する10名の人気クリエイターが、NEWVIEWの掲げる「新しい3次元体験」を直感的に伝える作品を制作。”TOKYO発”の新たなムーブメントをメディアを巻き込みながら表現し、クリエイターへの認知を広げました。さらにメディアパートナーの協力による情報発信や作品の接点をつくるエキシピジョンの開催などにより、広くプロジェクトのPRを行うことができました。
応募しやすさ:
世界中、どこにいてもアクセス可能で作品が投稿できる、AWRDの仕組みを活用して応募は行われました。
2019年に向けた活動
既存VR市場では見られない新たな表現や体験をデザインしたコンテンツが生まれ、VR空間アーティストというアーティストが誕生。アワードを通して、クリエイターの新たな活躍の場を生み出したほか、『VR』というカテゴリに対して、世界中のアーティストが興味を示してくれたという実績にも繋がりました。
そして、2019年に2年目を迎えたNEWVIEWプロジェクトは、東京と京都では、VRを総合芸術として学ぶ「NEWVIEW SCHOOL」を開講。定員を上回る応募の中から選ばれたクリエイターたちが、多彩な講師陣からVR表現のための本質的な考え方と技術を学んでいます。
NEW VIEW Project Webサイトへ
NEW VIEW Project
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