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石垣島のストーリーへの共感を、お土産を起点につくる。 インバウンド旅行者にも響く、名産品パッケージデザインアワード

Client : 石垣市

期間約6ヶ月間

応募作品431点

受賞作品10点

Outline

主要産業を観光に依存する沖縄県石垣市。新空港が開港して以来、観光客は増加し経済的な成果が出る一方で、石垣島らしさに愛着を覚え、リピーターとなるような観光体験を提供できていないのではないか、という課題を抱えていました。「Roooots」に共感した担当者は、デザインアワードの開催をロフトワークに打診。これを受けて、ロフトワークはアワード開催だけでなく、アワード成功に向けて、応募作品の量と質を担保する施策の企画・実行を支援しました。それが今回紹介する、「USIO DESIGN PROJECT」です。

主な成果

・受賞10点中、9点が商品化。(2019年8月現在)
・受賞10点中、5点の商品が、「2016金点設計奨(Golden Pin Design Award)」のパッケージデザイン部門を受賞

受賞作品

海外からの応募を含め、204名・431作品が集まりました。

審査員

石垣島の主要な観光ターゲットに台湾からの観光客が含まれていることから、審査員には台湾のクリエイティブに精通した、台湾デザインセンターからも招聘。日本からは、デザインによる地域の魅力発掘に詳しい、スマイルズの遠山氏、通称リトケイの鯨本氏に参加を依頼しました。

クライアントの課題と背景


観光・リゾート地として高い人気と認知度を誇る石垣島。新空港の開港・LCC就航によりさらに観光客の増加が見込まれる一方、石垣島の豊かな自然や人柄に愛着を感じ、これを大事に思いながら、リピーターとして島を訪れる人がどれくらいいるのか。こうした人たちを増やすにはどうしたらいいのか。

また、島内の事業者に目を向けると、観光事業で潤うのはごく一部。観光客増加による豊かさをより多くの人に感じてもらうための仕組みづくりも課題となっていました。

旅行消費額の1/3はお土産品と言われており、地元の経済にも直接つながるとともに、島と外の人をつなぐ接点として、単なる情報だけでなく、モノを通じた方が、より強いコミュニケーションが生まれると考え、お土産品のパッケージデザインプロジェクトとして本プロジェクトはスタートしました。

なぜアワードを選択したのか

ロフトワークは、2008年から4回に渡って「Roooots 名産品リデザインプロジェクト」を手がけてきました。これは、地方で開催される国際芸術祭(大地の芸術祭 / 瀬戸内国際芸術祭)と連動する形で開催してきたプロジェクト。過疎化・少子高齢化に悩む地域に芸術祭で人を呼び、ターゲットに合わせたリデザイン名産品をお土産として販売することで地元産業の活性化に繋げることが目的でした。

今回は、このプロジェクトをベンチマークとし、石垣島の課題や特性を踏まえてブラッシュアップする形でアワードを実施しました。

プロジェクトで行ったこと

プロジェクト当初から、石垣島の観光の『次の切り口』となるアクションとして、

1.外からの目線を入れたい。しかもデザインの力を最大限取り込む。
2.モノを通して島の魅力の発信したい。広く伝えていく伝道師の役割をモノに託したい。
3.地理的・歴史的にも繋がりの深い、台湾からの視点を入れたい。

という3本のテーマを掲げていました。

石垣島は、観光地として既に高い人気と認知度を誇り、移住する人も多い「とっても元気な地域」です。特有の課題もあるのですが、USIOではRooootsと同じスキームを活用しながらも、島の文脈に合わせたメッセージングや新しい仕掛けが必要でした。

そこでロフトワークは、特設Webサイトやソーシャルメディアを使って、プロセスを徹底的にオープンにすることを提案。名産品のリデザインという「ものづくり」の企画の形をとりながら、その間で起こる出来事を細かく情報発信することで、石垣島の違う一面を見せる「ことづくり」を目指しました。また、デジタルものづくりカフェ「FabCafe」の台北チームと連動して、クリエイターネットワークを巻き込んだイベントを行いました。

プロセス


アワードをどう成功に導いたのか

石垣・東京・台湾からなる、フラットなチームをつくる

プロジェクト冒頭、東京・台湾のチームが石垣島をフィールドリサーチとキックオフMTGを実施。物理的距離を超えて協働できるチームビルティングを行いました。

質の高い作品が応募される仕組みをつくる

質の高い作品を数多く集めるためには、優秀なクリエイターにアワードを認知させ、彼らに石垣島のことを深く理解させ応募のモチベーションをつくる戦略と実行が必要です。

アワードの認知:

優秀なクリエイターと多くの接点をつくるため、登録クリエイターへのリーチに加え、FabCafeを活用。渋谷・台北のFabCafeでプロモーションイベントを実施。FabCafeをからめることで、デジタルものづくりクリエイターという、石垣市ではリーチしづらい層とつながる。

石垣島の深い理解:

FabCafeで石垣島の担当者・事業者と直接コミュニケーションをとることで、生の声による深い共感を作った。オンラインでの情報発信をフォローすることにも。

オンラインでは、こういう情報を発信、他のメディアでは得られない、こゆい情報を伝えた。

3ヶ国語をデフォルトとし、台湾のクリエイターにもなじみない文化を丁寧につたえたことが、作品の質にもつながっている。

モチベーション醸成:

開催者の思いを継続的に伝えることは参加者のモチベーションにもつながる。

東京・石垣島の両方で、それぞれが発するべき情報を適度に発信し、石垣島の思いを伝えた。

応募しやすさ:

AWRDの仕組みを活用。

台湾でのイベントの様子
 
渋谷で行われたワークショップの様子
 

受賞作品の商品化にむけたサポート


アワード終了後ですが、デザインが採択されたデザイナーの事業者訪問から、商品開発プロセスの進行をサポート。デザイナーと地域の事業者、それぞれ異なる技術・文化・バックグラウンドを持つ人同士がパートナーとなるためのファシリテーションから、製造コストやデザイン品質の管理などを支援しました。

USIO Design Project Webサイトへ
USIO Design Project

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