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応募プロジェクト・アイデアのタイトル(日英併記)
アースフレンドリーな黒毛和牛「脱炭素牛」の開発と、有機系廃棄物を原材料としたメタン発酵バイオガス発電による循環型社会の創造 / Creating a sustainable future by developing earth friendly Kuroge Wagyu “decarbonized beef” and Mathane-Fermentation Biogas power generation from organic waste.
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応募プロジェクト・アイデアの紹介動画URL(5分以内)
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応募プロジェクト・アイデアの詳細説明(日英併記)
1. 石垣市の課題と未来
石垣市は、豊かな自然と畜産業を誇る日本最南端の都市です。しかし、繁栄の裏には、処理しきれない家畜の糞尿による環境汚染といった深刻な課題があると関係者の方々から伺いました。これらは、今後の地域の持続可能性を脅かす問題であり、私たちはこの現実を直視し、地域の環境を含めた生物多様性を守りながら、持続可能な未来を創るためのネイチャーポジティブな事業を推進しています。
2. 脱炭素牛の開発
私たちが目指すのは、温暖化を抑制する『脱炭素牛』の開発です。牛のゲップに含まれるメタンの発生を抑制する飼料の開発および給餌により、二酸化炭素の次に大きな温暖化の原因であるメタン発生量の問題を解決すべく、工学院大学や各研究機関と連携し、海藻養殖および独自飼料の開発等を進めていきます。
3. メタン発酵バイオガス発電
石垣島で発生した家畜糞尿や食品残渣等の有機物を回収し、メタン発酵によるバイオガス発電を行います。この発電過程で生じる発酵残渣は良質な堆肥となり、肥料認定を取得し特殊肥料として地域の農家さんをはじめとした一次産業者へ還元されます。これにより、地域全体の資源循環が促進され、石垣市はサーキュラー(バイオ)エコノミーの実践モデルとなり得ます。
4. サーキュラーエコノミーの実現に向けて
私たちは、バイオガス発電で得られた消化液を活用し、同敷地内で植物工場および陸上養殖事業も計画しております。生物多様性を守りながら資源を無駄にしない持続可能な循環型社会の実現を目指し、地域経済の発展と雇用創出、また自然環境、社会環境、生産環境の調和のとれた新しい農業と未来へ続く新たな道を切り開くものであると確信しています。
また、私たちが描く「地域循環型社会」は、地域が抱える課題を解決しながらシンボルとなる産業と雇用を創出してゆくとともに地域の中で循環する、クローズドループな自立型エネルギーとして安定的なライフラインを形成することです。そして、地域生活者と産業がお互いを尊重できる“Jimotofirst”の社会を形成し定着させることで、自然災害等の有事でも安心して暮らせるサステナブルな社会の創出を目指します。
1. Challenges and Vision for Ishigaki City
Ishigaki City, Japan’s southernmost city, is renowned for its rich natural environment and livestock industry. However, severe environmental issues related to unmanaged livestock waste impact the region’s sustainability. Through our nature-positive project, we are committed to facing this reality, protecting biodiversity, and building a sustainable future.
2. Development of Decarbonized Beef
Our goal is to create "decarbonized beef" to mitigate climate change. We collaborate with Kogakuin University and other research institutions to reduce methane emissions from cattle burps through developing and feeding cattle with methane-inhibiting seaweed-based feeds.
3. Methane Fermentation Biogas Power Generation
We will collect organic waste, including livestock manure and food scraps, in Ishigaki for methane fermentation-based biogas power generation. The fermentation residue from this process will be repurposed into high-quality compost certified as a special fertilizer, which will be returned to local farmers and primary industries. This will foster regional resource circulation, making Ishigaki City a model of circular (bio) economy.
4. Toward a Circular Economy
Using biogas generation-derived digested liquids, we plan to develop a plant factory and aquaculture business on-site, minimizing waste and promoting sustainable resource cycles. We believe this will open new pathways for local economic growth, employment, and harmonized environmental, social, and productive development. Our vision of a circular local society includes building a stable, closed-loop energy infrastructure, creating resilient communities, and realizing a "Jimotofirst" society where people and industries co-exist respectfully. -
審査のポイントである3つのP(for People, for Planet, for Profit)について、あなたのプロジェクトや活動ではどのような取り組みをしていますか?
for People:
石垣市における家畜糞尿由来の生活公害は、地元住民だけでなく観光客にとっても悪影響となっています。まずはそれらを適切な方法で処理することで悪臭などを解消するきっかけとなることが考えられ、また家畜農家にとっても糞尿処理にかかるコストや手間などを軽減することに繋がります。
for Planet:
世界的な目標であるカーボンニュートラルに向けた着実なプロセスとして牛のゲップ由来のメタンを抑制すること、美しい珊瑚を痛めるなど環境汚染につながる家畜由来の糞尿を回収し再生エネルギーに換えること、さらには糞尿のみならず食品残渣や油などの廃棄物も資源化することもでき、これらを通じて地球を守り、持続可能な社会を実現していきます。
for Profit:
バイオガス発電が生み出す電力の販売によって長期的な利益を確保し、また地域に根ざした循環型社会を作ることで地域全体を通してコストを削減するなど、これまで廃棄物とされていたものに新たな価値を持たせることで、そこに新たな利益や産業を生み出していきます。将来的には、有事の際には、本発電所で発電した電気を地域の皆様へ提供できるためのシステム(レジリエンス強化)も計画しております。
For People:
Livestock manure-related environmental issues in Ishigaki City impact both residents and tourists. Properly managing this waste will reduce odors and alleviate costs and labor associated with waste processing for farmers.
For Planet:
As a step toward global carbon neutrality, we aim to reduce methane from cattle burps and convert livestock waste into renewable energy, thus mitigating coral-harming pollution and turning organic waste into valuable resources.
For Profit:
By generating profit through the sale of electricity from biogas power generation and creating a circular society, we add value to previously discarded waste, driving profitability and establishing a resilient local energy system for emergencies. -
キーワード
#サーキュラーエコノミー #生物多様性 #ネイチャーポジティブ
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応募プロジェクト・アイデアのWebサイトがありましたら、URLをご記入ください。
https://jprsi.go.jp/ja/member/648
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応募プロジェクト・アイデアのSNSアカウントがありましたら、URLをご記入ください。
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【特別賞】「自然が新たな循環を生み出す力」あなたの取り組みは、どのようにして自然が廃棄物を貴重な資源に変換する能力を高めたり、あるいは支えたりしていますか?あなたの取り組みは、どのようにしてネイチャーポジティブな手法を取り入れ、従来の産業慣習を変革させていますか?(日英併記)
私たちは、以下のアプローチを軸にネイチャーポジティブな手法を実現しています。
①野積みで雨風にさらされていた糞尿の回収⇒悪臭改善や珊瑚等の自然環境の保全
②発電から得られた有機肥料を地域農家へ提供⇒化学肥料の縮小と脱炭素
③海藻由来の独自飼料開発⇒ゲップによるCH4の抑制
④地域の需要家への電力供給⇒再エネ由来の地産地消型脱炭素
<自然に根ざしたメタン削減技術>
私たちの脱炭素牛プロジェクトでは海藻の養殖や活用により、自然環境を損なわずに家畜由来のメタンを削減するという革新的な効果を期待することができます。これにより、従来の畜産では考えられなかった形で家畜の生育と環境保護が共存できるようになります。
<バイオガス発電による廃棄物の再資源化>
もう一つの重要な取り組みが、家畜の糞尿を活用したバイオガス発電です。私たちは、石垣市で発生する膨大な量の家畜糞尿を廃棄物として扱うのではなく、メタン発酵させてエネルギーに変換しています。また、発酵後に残るバイオマスは肥料として再利用され、地域の一次産業に貢献しています。これにより、農業と畜産業の間で自然資源が循環し、廃棄物が価値ある資源として新たな命を吹き込まれることになります。このような再資源化の取り組みは、従来の使い捨て文化を改め、持続可能な未来へと産業を変革する大きな一歩であると考えています。
We are implementing a nature-positive approach through the following key strategies:
1. **Collecting livestock manure previously left exposed to the elements** — improving odor control and protecting natural ecosystems such as coral reefs.
2. **Providing organic fertilizer from biogas production to local farmers** — reducing the need for chemical fertilizers and contributing to decarbonization.
3. **Developing a seaweed-based feed** — reducing methane (CH₄) emissions from livestock burps.
4. **Supplying renewable energy locally** — promoting a carbon-neutral, locally sourced renewable energy model.
**Nature-Based Methane Reduction Technology**
Our “Decarbonized Beef” project leverages seaweed cultivation and utilization to reduce livestock methane emissions without harming the natural environment. This groundbreaking approach allows for a coexistence of sustainable livestock farming and environmental protection that traditional livestock practices could not achieve.
**Waste-to-Resource Biogas Power Generation**
Another vital initiative is our biogas power generation, which utilizes livestock manure produced in Ishigaki City as a source of energy through methane fermentation, instead of treating it as waste. The biomass remaining post-fermentation is repurposed as a fertilizer, supporting local primary industries. This creates a closed-loop system between agriculture and livestock, transforming waste into a valuable resource. Such resource recycling practices mark a major shift away from the disposable culture, moving industries towards a sustainable future. -
【特別賞】「エコシステムの再生」あなたの取り組みは、どのようにして人々にインスピレーションを与え、エコシステムの回復と安定化に貢献していますか?(日英併記)
1. 持続可能な農業・畜産のモデルとしての役割
私たちは、脱炭素牛の開発を通じて、自然の持つメカニズムを活用しながら温室効果ガスを大幅に削減することを目指します。この取り組みは、地域の農業や畜産業に新たな持続可能な道筋を示すものであり、自然の循環力を活かすことの重要性を地域社会に広めています。こうした成功事例が、地域の他の生産者にとっても手本となり、より多くの人々が自然と共存する形での生産活動に目を向けるようになるでしょう。また、家畜由来の環境負荷を軽減するこのモデルは、環境保護の重要性を次世代に伝える教育的な価値も持っています。私たちの活動を通じて、地域社会の意識が高まり、持続可能な方法で農業や畜産を営むことがエコシステムの保護につながるというメッセージを伝えています。
2. 廃棄物を資源化するサーキュラーエコノミーの実践
私たちのバイオガス発電プロジェクトは、エコシステムの回復において非常に重要な役割を果たしています。家畜の糞尿を廃棄物とせず、エネルギーに変換することで、環境への負荷を減らしつつ、地域のエネルギー自給率を高めています。この循環型のエネルギー利用は、自然の資源を持続的に活用し、無駄をなくすという理念を体現したものです。発電後のバイオマスを肥料として再利用するプロセスも、地域の農業に還元されエコシステム全体に貢献しています。私たちの取り組みは、地域の住民や生産者に「廃棄物も価値のある資源として循環させることができる」というインスピレーションを与え、持続可能な生活と生産の実践を促進しています。
1. **Role as a Model for Sustainable Agriculture and Livestock Farming**
Through the development of decarbonized beef, we aim to significantly reduce greenhouse gas emissions by harnessing nature’s mechanisms. This initiative serves as a sustainable roadmap for local agriculture and livestock sectors, spreading awareness in the community about the importance of leveraging nature’s regenerative power. Our success stories are inspiring other local producers to embrace production methods that coexist with nature. Additionally, this model of reducing the environmental footprint of livestock serves as an educational asset, underscoring the importance of environmental conservation for future generations. Through our efforts, we’re fostering greater community awareness and delivering a message that sustainable agriculture and livestock farming contribute to ecosystem preservation.
2. **Circular Economy in Resource Utilization**
Our biogas power generation project plays a crucial role in ecosystem restoration by transforming livestock manure from waste into energy, thereby reducing environmental impacts and bolstering local energy self-sufficiency. This circular approach to energy use embodies the principle of sustainable resource use and waste reduction. Furthermore, the process of repurposing post-power-generation biomass as fertilizer enriches local agriculture, benefiting the ecosystem as a whole. Our project inspires residents and producers in the region by showing that waste can be repurposed as a valuable resource, promoting the practice of sustainable living and production. -
【特別賞】 「教育とストーリーテリング」あなたの取り組みは、複雑なバイオエコノミーの概念をどのようにしてわかりやすく、そして魅力的にしていますか?(日英併記)
1. 実践と体験に基づいた教育
私たちは、理論に留まらず具体的な実践例を通じてバイオエコノミーの概念を伝えていきます。石垣市で行うバイオガス発電では、家畜の糞尿をエネルギーとして変換するプロセスを公開し、地域の農業や畜産業と密接に関連づけて説明しています。こうした取り組みを見学できる機会や、ワークショップを開催することで、複雑な技術的概念を目で見て理解できるようにしていきます。また、脱炭素牛の開発プロジェクトでは、海藻という身近なものを利用して牛のゲップからのメタン削減を実現していることをシンプルな言葉で説明し、「海の力を借りて、温暖化を防ぐ」といったストーリーとして人々に伝えることで、技術的な内容も理解しやすく、かつ印象深いものにしています。
2. 消費者の生活に寄り添うストーリー
私たちは、バイオエコノミーの話を単なるデータや技術の説明にとどめず、人々の生活にどのように影響を与えるのかをストーリーとして伝えることを重視しています。たとえば、「脱炭素牛」は単なる畜産技術の進歩ではなく、「石垣市の未来を守り、次世代に美しい自然を残すための取り組み」として、「食べることが地球を守ることにつながる」という文脈を大切にしています。このように、バイオエコノミーが単に持続可能な未来を目指す理論なのではなく、暮らしと密接に関わり、地域社会の一部として生きている現実であることを伝えていきます。
1. **Education Through Hands-On Practice and Experience**
We go beyond theory to convey the concept of the bioeconomy through real-life examples. In Ishigaki City, our biogas power generation project transforms livestock manure into energy, demonstrating its direct relevance to local agriculture and livestock industries. By offering opportunities for community visits and organizing workshops, we make complex technical processes more accessible, allowing people to see and understand the science firsthand. Our decarbonized beef initiative, for instance, uses locally sourced seaweed to reduce methane emissions from cattle burps. We explain this simply as “harnessing the power of the sea to combat global warming,” making the technology relatable and memorable.
2. **A Story That Connects with Everyday Life**
We emphasize presenting the bioeconomy not just as data or technical details but as a story that impacts people’s lives. For instance, “decarbonized beef” isn’t just a livestock innovation; it’s a commitment to preserving Ishigaki City’s future and safeguarding its natural beauty for the next generation. We frame this as “protecting the Earth through the act of eating,” underscoring that the bioeconomy isn’t merely a theory for a sustainable future but a reality deeply woven into everyday life and the fabric of the local community. This approach highlights the tangible and personal value of a sustainable lifestyle.
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アースフレンドリーな黒毛和牛「脱炭素牛」の開発と、有機系廃棄物を原材料としたメタン発酵バイオガス発電による循環型社会の創造
私たちは、日本の沖縄県石垣市にて、サーキュラーエコノミーをコンセプトとした牧場「八重山列島カーボンフリーファーム」の運営を開始します。
カーボンフリーファーム構想の第一弾となる八重山列島カーボンフリーファームでは、カーボンニュートラルおよび石垣島における家畜糞尿由来の環境汚染問題の解決に貢献するためのソリューションとなる事業を通して、サーキュラー(バイオ)エコノミーを体現していきます。
We are establishing a circular economy-based ranch, the “Yaeyama Islands Carbon-Free Farm,” in Ishigaki City, Okinawa, Japan. The first phase of this initiative, the Yaeyama Islands Carbon-Free Farm, will embody a circular (bio) economy, delivering solutions for carbon neutrality and addressing environmental pollution from livestock manure on Ishigaki Island.
カーボンフリーファーム構想の第一弾となる八重山列島カーボンフリーファームでは、カーボンニュートラルおよび石垣島における家畜糞尿由来の環境汚染問題の解決に貢献するためのソリューションとなる事業を通して、サーキュラー(バイオ)エコノミーを体現していきます。
We are establishing a circular economy-based ranch, the “Yaeyama Islands Carbon-Free Farm,” in Ishigaki City, Okinawa, Japan. The first phase of this initiative, the Yaeyama Islands Carbon-Free Farm, will embody a circular (bio) economy, delivering solutions for carbon neutrality and addressing environmental pollution from livestock manure on Ishigaki Island.