『超珍』は、“超珍しい!”をきっかけに、まちの見方を変えるアウトプット型まち歩きです。参加者は決められた時間内でまちを自由に歩き、“超珍しい!”と心を動かされた風景や出来事を撮影。その後、写真にタイトルをつけて見せあいながら「なぜそれを超珍しいと感じたのか?」について語りあう“珍評会”を行い、互いのまなざしを共有します。誰かの視点から切り取られた風景を通して、その感性に触れる体験は、自分自身のまちを見る眼を育てるきっかけにもなります。見方の違いを楽しむことで、多様な価値観に気づきながら、まちへの愛着が深まっていきます。
この取り組みは2017年にスタートして以来、地域活性化イベントや企業・団体の職員研修、自治体のシティプロモーション、大学の授業や中学校の校外学習など、幅広い現場で実践を重ねてきました。現在も、誰もが身近なまちに主体的に関わり、そこに新たな意味や価値を見出す「ソーシャル・プレイスメイキング」として展開しています。こうした実践を経て、今後は活動の理念をより広く、初等教育の現場にも生かしていきたいと考えています。
ねのねプログラムでは、『超珍』を次のステージへと発展させるべく、小学校の「総合的な学習の時間」などでの活用を想定した教材フォーマットを制作します。参加者としての体験方法に加え、会場準備や時間配分、対話の進め方など、運営面も含めて整理し、誰もが再現できる形にまとめていきます。
まず、ComoNe周辺エリアで複数回『超珍』を実施し、毎回異なる学生がファシリテーターを務めながら、まち歩きと対話のプロセスを検証します。そこで得た気づきをもとに、教材フォーマットをブラッシュアップし、運営手順や進行方法も含めて再現可能な形へとまとめていきます。
さらに、ComoNeのデジタル工作機械を活用して、まち歩き用の「超珍メガネ」や、珍評会で使用する「超珍カード」「超珍フリップ」などのツールを試作します。これらを統合した“超珍キット”と教材フォーマットのプロトタイプを、ComoNe内の屋台ブースで随時展示し、来場者のフィードバックを求めます。
また、こもごも会議にも積極的に参加し、多様な立場の方々からの意見を取り入れながら活動をアップデートしていきたいと考えています。そこでの対話を通して得られた知見を実践に反映し、より多様な人が楽しめる形へと磨き上げていきます。
そして、4月11日(土)のコモの市では、教材フォーマットと超珍キットのお披露目として、それらを使った『超珍』を開催し、ねのねプログラムにおける活動の締めくくりとします。
まちを見る眼を育て、より多くの人が身近な風景の中に小さな感動を見出せるようになることを目指して、他者理解と地域愛を育む学びのモデルを提示し、次世代のプレイスメイキング教育へとつなげていきます。
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2025/10/18(土) Updated