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夢の終わり
能「邯鄲」に対するイメージを絵にしました。人生を憂える青年は、教えを求める旅の道すがら、不思議な枕で眠りにつきます。眠りから覚めた青年は皇帝の勅使の訪問を受け、あれよあれよという間に皇帝の地位を譲り受け長い年月を過ごしました。その在位五十年を祝う煌びやかな宴のさなか、突如昼夜も四季も目まぐるしく巡り出し、青年は今度こそ本当に目を覚まします。この曲では、青年は枕のおかげで世の儚さを悟るという、ある種前向きな終わりを迎えていますが、私にはこの枕が非常に恐ろしいものに思えるので、それを表現したいと思いました。
