CREATIVES

nUance(ニュアンス):デジタル社会にそっと置く、小さな感情の郵便局

その他
日々の暮らしの中で、人はいつも誰かに支えられていますが、その「ささやかな支え」や「軽い一言のエール」は、可視化されないまま流れていきがちです。一方で、SNS上の言葉は名前や関係性が紐づくため、時に「いいことを言わなきゃ」というプレッシャーや、炎上・誤解への不安も伴います。

本プロジェクト「nUance」は、「デジタルな繋がりが飽和する中で、もっとアナログで、名前のない『余白のあるコミュニケーション』は人の心をどう動かすのか?」という私たちの好奇心から出発した探究活動です。日常の複雑な気持ちや、言葉になりきらない微細な感情(ニュアンス)にそっと寄り添うための、匿名のポストカード交換所をComoNeの場につくります。誰かのために書かれたエールが、見知らぬ別の誰かの一日を少しだけ明るくする──そんな、静かだけれど確かな感情のバトンリレーを生み出します。

貸与される屋台型の展示ブース(Project Material)の有孔ボードを基盤として、レーザーカッターや3DプリンターなどのFAB機器を用いて、専用のポストカードポケットやペン立て、投函ボックスなどを自作・拡張します。さらに、レーザーカッターを用いて特製のカードストックを切り出したり、感情カテゴリのエンボス加工、nUanceブランドの木製オリジナルスタンプを制作するなど、FAB機器を単なる箱作りではなく、体験を豊かにするシステムの中核として活用します。

来場者は用意されたカードに自由にメッセージを書き、好きな場所に差し込んだり投函したりできます。裏面には簡単な感情カテゴリ(「うれしい」「つかれた」「不安」「応援したい」など)を設け、「今、この場所ではどんな感情が多く共有されているのか」を後から分析できるように設計します。こうして集まったカードを定期的に回収・分類し、以下の要素をComoNeコミュニティの中でゆるやかに可視化していきます。

今週は「どんな感情のエール」が多く求められているのか

どの時間帯・曜日にメッセージのやり取りが活発になるのか

どんな言葉が、どんな状況の人に響いているのか(※内容は匿名で扱う)

分析結果はSNSで発信するだけでなく、ブース内にも手描きのチャートとして掲示します。単なる受動的な観察に留まらず、回収した感情カードの傾向を基に、毎月ブースのレイアウトやカードのデザインをアップデートする「イテレーション(反復改善)」を行い、「場のデザインを変えると人の感情の預け方はどう変わるか」も同時に検証していきます。

前へ