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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案では、2つの空間を絶滅危惧空間として扱う。
①安全基準の厳格化や維持管理コストの増大、インクルーシブ化への対応等により、都市の公園から撤去されつつある「公園の三種の神器(ブランコ・すべり台・砂場)」
②高齢化や担い手不足により、耕作放棄化が進む山形県内の「果樹園(農地)」
この2つの絶滅危惧空間を結合し、生活圏内にある街区公園を、「果樹園の入口(ハブ)」へと再定義する。
想定事業主は、Park-PFI等を活用して公園を再整備する「地方自治体」、および遊具の農インフラへの変異と広域連携システムを構築・主導する「建設コンサルタント」である。 -
なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
【2つの危機の交差点:遊具の排除と果樹園の空白化】
都市の公園では、リスク管理の行き過ぎにより「三種の神器」と呼ばれる遊具が急速に姿を消している。しかし、これら遊具が担っていた「高く揺れる」「重力で滑る」「土に触れる」といった野性的・原初的な身体体験は、子どもの成長や多世代交流に不可欠な資産であった。形そのものではなく、そこで生まれる「体験」を保存・継承する新たな舞台が必要とされている。
一方で、山形のシンボルである「果樹園」は、担い手不足や高齢化による耕作放棄地の増大という「空白」の危機に瀕している。特に果樹園は足場が悪く高所を作業するため身体的負荷が極めて高い。また、収穫最盛期に爆発的な人手不足に陥る構造的課題があり、近年はWebマッチングアプリ等の活用が進んでいる。本提案は、それらデジタル上のマッチングを『物理的な移動インフラ・コミュニティ空間』として強力に補完する装置となる。
【結合が生み出す変異のポテンシャル】
都市で「危険」として排除された野生的な身体体験を、地方の果樹園へ「疎開」・移植させる。生活圏内にある公園の公共性とアクセスの良さを活かして「果樹園の入口(ハブ)」とすることで、住民を関係人口・労働力として農地へシームレスに送り出すことができる。消えゆく「遊具」の物理特性を、消えゆく「果樹園」を救う動的インフラへと変異させる点に、これまでにない空間変異のポテンシャルがある。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
都市で排除される遊具の「物理特性」を解体し、果樹園の作業を省力化・エンタメ化する「動的農インフラ」へと変異させ、公園をハブとした【双方向の循環ネットワーク】を社会実装することで、双方の空間を再生する。
1.三種の神器(遊具)の「果樹園インフラ」への変異
ブランコ ⇒「スイング・ハーベスター(高所収穫アシスト)」
公園で禁止されつつある「高く揺れる」振り子運動の特性を果樹園へ移植。高齢農家に重労働な「さくらんぼ等の高所収穫」を、ブランコの物理構造を応用したワイヤー吊り下げ式シートでサポートし、足腰の負担を軽減しながら楽しく作業できる装置へ変異させる。
すべり台 ⇒「アグリ・スライダー(傾斜地物流・人流シュート)」
「重力移動と斜面摩擦」の特性を、傾斜地果樹園の物流ラインへ変異。平時は収穫コンテナを自重で下ろす省力化物流インフラとして機能し、週末や観光シーズンは来訪者が滑走を楽しめるアトラクションに変異させる。
砂場 ⇒「土壌育成クレーター(コモンズ・アグリ・ラボ)」
衛生管理の対象となった砂場を、果樹園の「生成型土壌」へ変異。都市の生ごみ由来のコンポストを混ぜ、遊びながら耕し、果樹に必要な土壌改良プロセスを子どもたちの手でシステム化する。
2.公園をハブとした「双方向(双ベクトル)の体験ネットワーク」
公園にシェアサイクルと収穫ギアを備えた「チェックイン・ステーション」を設置し、二つの絶滅危惧空間をダイナミックに循環させる。
【公園から果樹園へのベクトル(体験・労働力の供給)】
住民や観光客が公園で自転車を借り、近隣の果樹園へ飛び出す。遊具から変異した上記の「農インフラ」を使い、遊びの延長として楽しく果樹の収穫や土壌育成を手伝う。
【果樹園から公園へのベクトル(生産物・文化の還元)】農家が定期的に公園へと出向き、収穫されたフレッシュな果物のマルシェ(直売会)や、剪定枝を使ったクラフトワーク、出張農業体験イベントを開催する。公園が果樹園の「出張フロント」となる。
3.社会実装された時の価値
本提案は、遊具を「廃棄物」ではなく「変異可能な種」として循環させ、地方の農地を救う新しい自治体広域連携モデルである。
公園にとっては「管理負担の軽減」と「果樹園の個性を放つハブ化」をもたらし、果樹園にとっては「人手不足の解消」と「ファン(関係人口)の獲得」を同時に実現する。建設コンサルタントの技術と想像力により、安全の枠に閉じ込められていた「遊具」を、果樹農業の未来を救う「動的グリーンインフラ」へと変異させる。
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遊びの「種」が農地を救う:公園遊具から変異する、次世代の動的農インフラ
都市で危険として排除される「公園遊具」が、山形の果樹園で過酷な作業を支える「動的インフラ」へと生まれ変わる。かつて子どもたちが泥遊びをした砂場は、都市のごみを豊かな土へと変える堆肥のサークルになり、身近な公園は、点在する果樹園へと漕ぎ出す出発のハブになる。空間は単なる遊び場や農地という役割を超えて、都市の遊び手と地方の担い手が交わる循環の場へと変わり、人と自然が身体を通して泥臭くつながっていた本来の姿に立ち返る。
