ハーバーテイル

ここは港街「Y」。片隅に建つ古ぼけた赤いレンガ作りの洋館は、港とともに栄えてきた街と、そこに行き交う人々の営みを100年以上ものあいだずっと見守ってきた。その一片である赤いレンガは、ずっと気になっていた「四角いキラキラしたもの」が何なのか知りたくて、ある日ついに壁を抜けだして歩き出し、それが海であることを知るのだった。そしてレンガにいくつかの出会いが訪れる。
本作は粘土、人形などの立体物を撮影したコマ撮りアニメーションに、現実や空想の港町の風景を最新のデジタルワークで紡ぎあわせる、アニメーションのまったく新しい形。手作りの立体物が持つ自然な質感、コマ撮りの動き、CG技術が可能にする緻密な映像が描き出す世界は、驚きと共に温かみを持って鑑賞者を魅了する。