CREATIVES

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おじい、おばあとの「唄の旅」 AR×聴く×交感 をデザインする

先祖を大切にして、脈々と生活文化を受け継いでいる石垣の人々。その生活には、「唄」があります。
おばあ、おじい、そのまた先祖の人たちが日常のささやかな生活の中で唄い継いできた唄を聴くことは、その背景にある代々培ってきた知恵や体験を垣間見る機会になるかもしれません。
唄を通して、そこに潜んでいる大切な想いを共有し、その価値観を次世代へと受け継ぐ契機となる旅にすることを目的とします。
具体的には、島の各々の場所の祭事の唄、冠婚葬祭の唄、わらべ唄、豊穣大漁祈願などの様々な唄を予め島民に取材・収録し、その唄を歌うシチュエーションの写真などを提供いただきます。それをもとに「AR」(拡張現実)を制作します。島のそれぞれのポイントで携帯端末をかざすと、当時の風景と唄の音声が再生され、時空を超えた体験が石垣島の空気感、環境音と合わせて体験できます。
可能であれば、その「AR」の中に登場するコンテンツに実際に参加できる仕組みを整え、共に唄を歌いながら新しい人と人のつながりが生まれるような体験プログラムも提供することができれば、なお望ましいと感じています。その時の唄の様子自体も記録・「AR」化し、時間とともにコンテンツが重層的に積み重なっていきます。
過去の記憶と唄、現在の体験と唄が混在する、時空を超えた交感、「唄の旅」のはじまりです。

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