刺しゅうミシンのポイント
刺しゅうミシンによる図案は、糸ならではの特色を意識して、デザインする必要があります。ここでは、刺しゅうミシンがどんな表現ができるのか、基本的な特徴をまとめました。
得意なこと
立体的な表現
サテン縫いや重ね縫いなどでぷっくりとさせることができ、立体的な表現ができます。同じ図案でもステッチの種類や縫目の方向によって表情、テクスチャを変化させられます。
直線と曲線
手刺繍とのいちばんの違いは、だれでも縫い目を均質にできること。ベクターデータによる直線・曲線も、きれいに再現できます。
難しい表現
混色、濃淡、グラデーション
刺しゅうで色を混ぜ合わせたり濃淡を表現することは難易度が高く、原画のイメージ通りに再現できない可能性があります。
細密描写・点描など
糸の太さよりも細かく複雑な描写の再現は難しいため、なるべく描画を単純化(デフォルメ)する必要があります。
面の表現
基本の縫い方
「サテン縫い」と「たたみ縫い」は、機械刺しゅうで最もスタンダードな面の縫い方です。いずれも、糸の密度や縫いの確度などを調整できます。
サテン縫い
モチーフの端から端までを縫います。はじめに下縫いを上から縫い重ねるため、ボリューム・立体感がでます。
たたみ縫い
畳の目のように、糸を細かく縫いつける方法です。仕上がりは平面的な質感になります。刺しゅうを重ねて縫う場合、土台としてたたみ縫いをすることが多いです。
さまざまな面縫い
もっと個性的な縫い方をしてみたい場合は、以下のような縫い方も選択できます。
(左上から、プログラムたたみ / パイピング / クロスステッチ / 同心円 / 放射 / うずまき)
線の表現
(左上から、サテンぬい/はしりぬい/三重ぬい/ステムステッチ/キャンドル/Eステッチ/モチーフぬい/チェーンステッチ)