レーザーカッターだからこそできる、クリエイティブハックアイデアが集結
レーザーカッターでつくるデザインアイデアを募集したグローバルコンテスト、「You Fab 2012」。先日、行われた審査会では、審査員のクラインダイサムアーキテクツのアストリッド・クライン氏とマーク・ダイサム氏、777interactive 代表でFabCafe創設メンバーでもある福田敏也氏、FabLabJapan 創設者の田中浩也氏、FabCafeのFabディレクターの岩岡孝太郎氏が、東京渋谷のloftwork Lab 10Fに集合。LA在住のMake誌編集長、マーク・フラウエンフェルダー氏とSkypeでつなぎ、日本と米国をまたぐ国際的な審査会が行われました。
審査では、中間審査で選ばれた作品を、下のような視点から再度審査しました。
・デザイン性が高いこと
・オリジナルで刺激的なアイデアであること
・Macのデザインや既存文化をクリエイティブにハックしていること
・Fabの面白さを伝えていること
本ページでは、白熱した審査会によって選ばれた受賞作品、審査員、受賞者のコメントをご紹介いたします。レーザーカッターの特性を生かしつつ、新しいクリエイティブのカタチを見せる受賞作をご覧ください。
受賞作品
部門A: Mac Fab 優秀賞
クリエイター名:Annie
タイトル:アンツ!!
<審査員からのコメント>
クラインダイサムアーキテクツ : ユーモアがきいていますね。誰かのMacにこのデザインがついていたら、思わず微笑んでしまいます。意味遊びも面白いです。
マーク・フラウエンフェルダー: アップルの欠片を運ぶという、ユーモアの見せ方がいいですよね。この白い欠片がAppleのひとかけら、と気づくまで時間がかかりましたが、それも含めていいユーモアだと思います。
田中浩也:Fabの力で、Appleロゴを乗り越えるような、野望を持った作品があるといいなと思っていました。このデザインはいいですね。審査中も、面白いディスカッションがたくさん起こりました。
<受賞者のコメント>
アップルを食べたのが誰なのか、いつもずーっと気になってました。私は食べることが好きです。特に、みんなで食べるごはんが大好きです。小さなアリがみんなで協力してりんごを運ぶさまは、食いしん坊の私の化身です。受賞を知ったときは、うれしくてびっくりして鳥肌がたっちゃいました。ありがとうございました。
特別賞(3点)
クリエイター名:zuca
タイトル:tatami
<審査員からのコメント>
福田敏也 : Apple Designファンとしては、Apple Designに触り心地っていうHackバリューを思いついてるところがいいと思いました。
岩岡孝太郎:肌触りを変えるという発想が驚きです。Macbookのサラサラとした均質な肌触りが、畳の肌触りに変化するのを想像するだけで嬉しくなりますね。
<受賞者のコメント>
子どもがお昼寝から起きた時、顔についた畳の跡とその肌触りから閃いた作品。MacBookの無機質で硬質な表面に日本の伝統的な畳を表現することで、柔らかく温かみのある表情がうまれると思いデザインしました。多くの素敵な作品の中から特別賞に選んでいただき、とても光栄です。これからもいろんなアイデアをカタチにしていきます。
クリエイター名:Kumi
タイトル:さぁ収穫しよう
<審査員からのコメント>
クラインダイサムアーキテクツ : まず、手書き風の作風が、いいですね。Macbookというテクノロジーも、Fabによって可能な彫刻もハイテク技術ですが、そのハイテクさとデザインのアナログ的なよさが、うまくまとまっていると思います。
岩岡孝太郎:アップルロゴがとても分かりやすくデザインの一部に使われていて、MacFabの楽しみ方を伝える良い作品だと思います。一目見た瞬間に「かわいい!」と思って「私もMacに」という気持ちにさせてくれます。
<受賞者のコメント>
素敵な素晴らしい賞をいただき、うれしさと驚きで戸惑っているのが今の正直な気持ちです。わくわく楽しくなる絵を描きたいといつも思っています。今回の作品もそんな気持ちで描きました。MacBookに絵を描くというのがとても楽しかったです。本当にありがとうございました。
クリエイター名:jyari
タイトル:green apple
<審査員からのコメント>
マーク・フラウエンフェルダー : 他のデザインもアップルと同じくらいの精緻さで描かれていて、アップルが、数あるアイコンのうちの1つになっているのがよいですね。それに、コンセントにつながれたアップルというのも、本当にアップルはエコなの?と挑発的で面白いと思います。
<受賞者のコメント>
今回、特別賞を頂き大変嬉しく思います。今回の作品は私がいつも制作しているスタイルとはちょっと違ったテイストで挑戦しました。それ故、不安はありましたが、賞を頂いた事により新たな一歩を踏み出せた様な気がします。有り難うございました。
部門B: Free Fab 優秀賞
クリエイター名:大野友資
タイトル:360°Book
<審査員からのコメント>
クラインダイサムアーキテクツ : 平面にもなり、立体にもなる本というコンセプトは、今までみたことないですよね。可能性を感じますね。
マーク・フラウエンフェルダー: レーザーカッターの特性を生かしたユニークな作品ですね。
福田敏也:デザインもいいし、アイデアもいいし、そして本を触ることによって得られる体験もいいですね。
<受賞者のコメント>
この度はYou Fab 2012のFree Fab部門の大賞を頂きましたことを大変嬉しく思います。これまでにない立体の表現方法を生み出すことに興味があり、手のひらサイズの本を開くと、中から三次元の世界が現れる仕組みを思いつきました。閉じた状態からの立体ジオラマへの劇的な変化に、本を開く時の楽しさや驚きを感じてもらえたら嬉しいです。
特別賞
審査員の協議の結果、今回は該当なしとなりました。
皆さん、受賞作品の数々はいかがだったでしょうか?
5点の受賞作品は、近々FabCafeにて販売される予定です。近日中にその様子も掲載いたしますので、どうぞお楽しみに!