-
作品タイトル(日本語)
PHANTAZUMA
-
作品タイトル(英語)
PHANTAZUMA
-
制作物のコンセプトを記載してください。
集客面で課題を抱える演劇界へコロナ禍による打撃が加わってしまった。演劇の配信が普及する中、劇場まで足を運ぶ動機を観客に与える新たな舞台表現が必要だ。そこで、幽霊などの超常現象を表現するためのペッパーズ・ゴーストに着目した上で、幽霊とは見える者と見えない者が同時に存在する点が恐怖を助長すると考えた。PHANTAZUMAは同じ空間で舞台を観ているにもかかわらず、観賞位置に応じて異なる内容を観られる演劇を実現させる舞台機構の試作である。本作によりWキャスト公演の同時上演、特定の区画からしか観えない演者などライブエンタメの可能性が広がり、観客が別の位置で再度観たくなる動機付けとなる。具体的には、観客が直接観賞する主舞台と隠されたゴースト舞台とを垂直に配置し、間にハーフミラーを45度に設置することでゴースト舞台上の物体がミラーに反射し、奥の主舞台と重なる。ゴースト舞台の手前には視野角に応じて透明度が変化する視界制御フィルムを配置しているため、観賞位置に応じてゴーストの可視・不可視が変わる。加えて、フィルム群をモータで回転制御し、所望の観賞位置に対してゴーストの出現と消失を切り替える。本作を配信システムに応用すれば、劇場の観客と画面越しの観客とで異なる内容を提示でき、観客は双方のプラットフォームを行き来したくなる。観客どうしをあえてコンタクトレスにすることでこれまでにない観劇体験を実現する。
-
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
The theater industry, which has been struggling to attract audiences, has been dealt a blow by the corona crisis additionally. While the online theaters are spread, a new form of theatrical expression is needed to motivate audiences to go to the theater. PHANTAZUMA is a prototype of a stage machinery realizing a play in which the audience members are watching the play in the same space, but the content of the play differs according to their position. This work expands the possibilities for live entertainment, such as simultaneous performances of a double-cast show and performers who can only be seen from a specific section, and motivates the audience to watch the show again from a different position. Specifically, the main stage and the hidden ghost stage are arranged perpendicularly, with a half-mirror set at 45 degrees between them. In front of the ghost stage, a group of vision control film whose transparency differs in accordance with the viewing angle, so that the visibility of the ghost changes according to the position of audience. In addition, the films are controlled by a motor to switch the appearance and disappearance of the ghosts depending on the desired viewing position. When this work is applied to the online system, the contents of play will differ between the audience in the offline and that in online theater, and the audience will want to go back and forth between the two platforms. This attempt, therefore, makes the audience groups contactless depending on their position or platform to enhance entertainment industry.
-
作品の素材・仕様
素材:MDF合板、建築模型(人物3体)、アクリルハーフミラー、視界制御フィルム (正面不透明)、ステッピングモータx5、Arduino UNOx1、スポットライトx2
ツール: Mac OS, Arduino
サイズ: W720mmxD720mmxH450mm
重量: 7kg
消費電力: 100W -
作品の素材・仕様(英語)
Material:MDF wooden plates, Miniature dolls x3, Acrylic Half-mirror x1, Vision Control Film (Opaque at front), Stepping motors x5、Arduino UNO x1, Spotlights x2
Tool: Mac OS, Arduino
Size: W720mmxD720mmxH450mm
Weight: 7kg
Power Dissipation: 100W -
作品のリファレンスURL
https://drive.google.com/file/d/18GVmC__uwuK9X9Q40Oqtp3CiuxWMiTQ6/view?usp=sharing
-
作品の映像URL
https://youtu.be/_74iuhmo45c
-
公式サイト、もしくはSNSのURL
https://kazumachibaofficial.com/
-
プロフィール情報
早稲田大学大学院基幹理工学研究科表現工学専攻橋田研究室卒。学部では観客位置に応じて観えるものが異なる舞台装置の試作を行い国内学会で論文賞獲得など評価を得た。修士では接木などの園芸をものづくり技術として、植物による機械製造を試みた。一方、俳優・タレントとして活動中。主な出演作にドラマ『表参道高校合唱部!』や『親バカ青春白書』、CM『ストッパ下痢止めEX』等。技術開発と作品制作で新たな俳優像を目指す。
-
参加メンバー
-
居住国
日本
- 298
PHANTAZUMA
PHANTAZUMA(ファンタズマ)は、同じ劇場で同時に舞台を観ているにもかかわらず、観客の座席位置に 応じて異なるものを観賞できる演劇作品の実現に先立ち、一般的な劇場の約1/30の縮尺のミニチュア模型
で制作した舞台機構である。本作品では、中央からは女性のみが観賞できるが、右側(上手側)から観賞 すると女性の背後に男性が、左側(下手側)から観賞すると椅子の上に首のない男性が現れる。このよう に見る角度に応じて登場するキャストが異なるといった超常的な観賞体験を可能にし、同じ舞台作品で あっても物語の解釈が変化させられる。本作のシステムは2つの舞台空間の間にハーフミラーを隔て、片方 の舞台上の物体を半透明の反射像としてもう片方の舞台に重畳させるペッパーズ・ゴーストの原理と、視 線方向に応じて透明度が変化するプライバシー保護のための建築素材である視界制御フィルムとの組み合 わせで成り立つ。つまり、視界制御フィルムによって特定の方向からのみ反射像(ゴースト)が観賞でき る。さらに、視界制御フィルムをモータに取り付けて主導的に角度制御することで、所望の観客位置に対 してゴーストの可視・不可視を切り替えられる。以上により、これまでにない観劇体験を実現する意味を 込めて古代ギリシャ語で幽霊を指す”phantasm”と自身の名前をかけ合わせた名をつけた。
で制作した舞台機構である。本作品では、中央からは女性のみが観賞できるが、右側(上手側)から観賞 すると女性の背後に男性が、左側(下手側)から観賞すると椅子の上に首のない男性が現れる。このよう に見る角度に応じて登場するキャストが異なるといった超常的な観賞体験を可能にし、同じ舞台作品で あっても物語の解釈が変化させられる。本作のシステムは2つの舞台空間の間にハーフミラーを隔て、片方 の舞台上の物体を半透明の反射像としてもう片方の舞台に重畳させるペッパーズ・ゴーストの原理と、視 線方向に応じて透明度が変化するプライバシー保護のための建築素材である視界制御フィルムとの組み合 わせで成り立つ。つまり、視界制御フィルムによって特定の方向からのみ反射像(ゴースト)が観賞でき る。さらに、視界制御フィルムをモータに取り付けて主導的に角度制御することで、所望の観客位置に対 してゴーストの可視・不可視を切り替えられる。以上により、これまでにない観劇体験を実現する意味を 込めて古代ギリシャ語で幽霊を指す”phantasm”と自身の名前をかけ合わせた名をつけた。