CREATIVES

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ニチギン・ピースシアター

建築 / 動画
「場所の魅力を引き出すアートとデザイン」というコンペのテーマを元に、私達は旧日本銀行 広島支店 ( 以下 : 旧日銀 ) 一体の環境をあるがままに捉え、三次元を三次元のまま採集することでこそ場所の魅力を捉え、新たな発見を映し出す事ができると考えました。そこでまず、3D レーザースキャナーとレコーダーを用い、高精度で高密度な旧日銀のデジタルモデルを 制作しました。この 3D レーザースキャナーの特性として空・ガラス・影になっている部分が黒色として表現されるため、この不可視部分や実際の都市状況を補填する情報として、 計測した音声と多様な録音データを重ね合わせ、「旧日銀の息づかい」を見つめる映像作品を制作しました。 映像中の黒い影として映る隙間部分には、動植物や自然の絶え間ない営みが潜んでいたり、 人の手が届きにくい場所のためにかつての旧日銀の姿が色濃く残っている部分です。 私達はこのスキのある状態こそが都市の魅力の根幹であり、平和で豊かな環境をつくっていると考えています。日頃通り過ぎ忘れられた風化や被爆痕、かつての生活音や動植物・インフラ等の立体的な音声を鑑賞することで、旧日銀の「忘れられたモノと残されたモノの調和」を感じ取り、都市を眺める新しい視野を抱いてもらいたいと思い制作しました。

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