identity disperser -afforestation-

identity disperser -afforestation-

identity disperser -afforestation-

identity disperserは、深層学習の高精度画像生成モデルであるStyleGAN2のProjectorを使って、ユーザーに似た実際には存在しない偽の顔画像を生成し、投稿することができるTwitterクライアントアプリです。
写真は記録としてだけでなく、身分証明書などの本人であることを示す有効な手段として利用されてきました。
しかし近年、インターネットやSNSに何気なく投稿された写真が他の情報と結びつき、いつのまにか本人が望んでいない情報がさらされてしまうこともあります。
そこで、本作品はユーザー似た実際には存在しない偽の顔をインターネット上に氾濫させることで、第三者やSNS上の識別AIが個人の顔を特定することが困難な状況を作り出します。サブタイトルの"afforestation（植林）"は、「木を隠すなら森に」の由来である小説「The Innocence of Father Brown」の"He grows a forest to hide it in"を参照しています。
本作品によってインターネット上では外見による自己と他者の区別が曖昧になり、ユーザーのアイデンティティの一部が実際には存在しない偽物の存在に分散します。作者はAI技術の発展によって画像生成が高精度化していく現在、写真や外見にまつわるアイデンティティの意味を作品を通して問い直し、更新します。
なりたい自分になるために顔を加工するフェイスフィルタなどと本作品が根本的に異なるのは、特定の何かでない多数の方向へランダムに顔の特徴を分散させる点です。ネットには本人の顔として多数の異なる顔が「植林」されます。
また、Facebookに元写真と本作品の組を投稿すると、前者だけ本人と認識されます。AIの識別モデルも欺くことができる点は高度なテクノロジーとの関係の築き方の手がかりを示唆します。

※作品自体はTwitterクライアントアプリであるためスペースは必要ありませんが，展示する場合に必要な機材を記入します．
素材
PC，展示台，スマートフォン

面積
2m x 2m x 3m (width x depth x height)　の空間

重量
合計10kg程度

https://scottallen.ws/work/identity-disperser-afforestation

https://scottallen.ws