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作品タイトル(日本語)
私へうつる
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作品タイトル(英語)
in/project on me
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制作物のコンセプトを記載してください。
本作は、外見のもたらす先入観という偏見を、機械学習によって「いいそうな発言」という形で明らかにすることで、人間の否めない先入観の存在の意味を体験者・鑑賞者に問うものである。
COVID-19のもとで、オンラインでしかあったことのなかった人と初めてオフラインであう、マスクをした顔でしか会ったことのなかった人がマスクを外した顔を初めてみる、といった状況を誰もが体験したのではないだろうか。コロナ禍以前から、私達は多くの人と共存しながらも、一方で実際に会って深く話をきくことのできる友人はほんの一握りに過ぎなかった。電車の中の人、ほとんど話したことのない同僚、SNS上で友人の写真に写った友人の友人、顔を見たことはあってもその内面までは知らない人が、この世には溢れている。そういった「顔だけ知っている人」に対しても私達は日頃から先入観を持って接しているはずだ。実際、「思ったより優しいんだね」とか「思ったとおり気が合わなかった」とかいった発言を聞いたことのない人はほとんどいないと思う。第一印象は常に人の先入観を左右し、顔は第一印象の大部分を占めるといっても過言ではないだろう。ルッキズムへの批判から、「私は他人の外見によって他人を判断したりしない」と自負している人も多いかもしれない。しかし、この作品で行ったアンケートは発言という人の内面と、顔という人の外見を結びつけるものをあぶり出し、インスタレーションは外見から人が予測する発言を顔の上に投影することで、外見がもたらす先入観を顕にした。それはあくまで機械学習によって見いだされたもっともらしい発言に過ぎないが、自分の顔がもたらす先入観に対する本人たちの感想は、言い当てられたと感じる人から誤解だと感じる人まで様々で興味深い。人間が蓄積してきたデータをもとに学習を行ったAIのもつ偏見が問題視されているが、それは人間のもつ偏見を顕にしたものにすぎない。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
"in/project on me" consists of an installation exhibited from July to November in 2020 and a project on Instagram.
Throughout this work, we tried to challenge the meaning and bias that comes from appearance by chosing a "remark" a given person is likely to say and projecting this onto their face, presenting and exaggerating impressions people might have just from a person's appearance alone.
Using hundreds of results from questionnaires asking about appearance -age, gender, emotion, hair color, etc - that one relates to a given remark, a machine learning model that predicts a "remark" one is likely to say given an image of a face was created and projected onto the face. It would never be seen by a participant him/herself as same as the characteristic of the real face. Only through a mirror, or this time with a display in front of them, they can know what kind of condescending they would be had by AI or others.
The process of answering questionnaires also makes people think about their own bias towards others or themselves : "The Questionnaires itself made me think back on my deeper feelings."
In the project on Instagram, we collected what he/she thought about the remark chosen for them: "I felt like my feelings which have not been verbalized was seen through." "I was shocked that someone would have a bias like Im saying bad words because I always watch my language. However, I feel a bit upset because the character of the remark -a bit hard and condescending- sounded closer to my inner voice." -
作品の素材・仕様
W0.5m x D 0.5m x H1.5m
Software Processing in advance : python, BERT, Microsoft Facial Recognition API,dlib
Hardware : webcamera, Projector, Mirror, M5Stack, PC -
作品の素材・仕様(英語)
W0.5m x D 0.5m x H1.5m
Software Processing in advance : python, BERT, Microsoft Facial Recognition API,dlib
Hardware : webcamera, Projector, Mirror, M5Stack, PC -
作品のリファレンスURL
https://minori-products.wixsite.com/minori/%E8%A4%87%E8%A3%BD-%E5%AD%A4%E7%8B%AC%E3%81%8C%E6%BA%B6%E3%81%91%E3%82%8B
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作品の映像URL
https://youtu.be/wvNee2ejXsg
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公式サイト、もしくはSNSのURL
https://minori-products.wixsite.com/minori
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
世界文化を醸造していく上で、異なる文化や民族の中で暮らす人々が協業するにあたっては、常に様々な先入観がつきまとう。これらの先入観と向き合うきっかけとなる本作品は、これからの多様な社会のなかで重要な役割を果たしうる。
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私へうつる
「私へうつる」はインスタレーションと、Instagram 上での企画からなるプロジェクト。人が外見から受ける印象を「言いそうな発言」によって明らかにし、それを顔と重ねあわせることで外見のもつ意味や偏見を問おうと試みた。Twitter上で抽出した発言から想像される外見(性別、年齢、髪の毛の色、表情など)を問うアンケートを行い、数百件の回答を元に、反対に外見から想像される発言を予測する機械学習モデルを生成した。
<オフラインでの体験>
カメラの前に立つと、AI が画像から判断したプロフィールと、そのプロフィールから想像される「言いそうな発言」 が顔の上にプロジェクションされる。
<オンラインでの体験>
「いいそうな発言」を顔の上に合成した写真をInstagram上にアップロード。これに加えて、Instagram上では、企画に参加した人の、自らがそのモデルによって受ける"しそうな発言"に対する感想も収集した。
<オフラインでの体験>
カメラの前に立つと、AI が画像から判断したプロフィールと、そのプロフィールから想像される「言いそうな発言」 が顔の上にプロジェクションされる。
<オンラインでの体験>
「いいそうな発言」を顔の上に合成した写真をInstagram上にアップロード。これに加えて、Instagram上では、企画に参加した人の、自らがそのモデルによって受ける"しそうな発言"に対する感想も収集した。