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作品タイトル(日本語)
友達のアカウントにログインできるSNS Hack in
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作品タイトル(英語)
Hack in — SNS where you can log into your friend’s account
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制作物のコンセプトを記載してください。
インターネットはあらゆる能力を民主化し、個人をエンパワーメントするメディアとされてきた。しかし、果たして個人(In-dividual)は社会の最小単位なのだろうか?個人の能力ですらも民主化されるという未来はないだろうか?
Hack inは個人に集権化されているアカウントを運用する権限を友達に分散し、個人を分人化するSNSである。このSNSでは友達のアカウントにログインし、なりすますことでその人らしい発言をすることができる。逆に友達があなたのアカウントにログインして、あなたらしい発言を投稿することもできる。
これらの投稿にはLike(いいね!)の代わりにAlike(っぽいね!)というリアクションを行うことができ、フォロワーが投稿における「その人らしさ」を評価することができる。場合によっては自分で考えた投稿よりも、友達になりすまされた投稿の方があなたらしいと評価されることもあるかもしれない。友達によってなりすまされた投稿を通して、思わぬ自分の側面が「あなたらしい」と評価されることもある。こうした体験を通して社会的な「私」とは何かを考えることができる。
現在、Hack inにおいては様々な振る舞いが確認されている。例えば、自分のキャラでは言いづらいことを他人のアカウントを通して発言したり、なりすまされたフリをして普段の自分では言えないようなポエティックな投稿を行うユーザーがいたりする。
このようにHack inは個人としての「私」を民主化することで、市民にとっての「私」を分人として表出させる脱個人主義のSNSである。
「私」とは個人によってのみ作られるものではなく(それが例え幻想であったとしても)周囲の人が抱いた勝手なイメージも含めて「私」であるとも言えるだろう。Hack inはそんな私にとっての「私」とあなたにとっての「私」を、自他境界を曖昧にすることでつなぎ合わせるソーシャルメディアである。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
The Internet has been regarded as a medium that democratizes all capabilities and empowers the individuals. However, is the individual really the smallest unit of society? Is there a future in which even individual capabilities are democratized?
Hack in is a social networking service that divides the individual by distributing the authority to operate an account that is generally centralized to the individual to friends. In this SNS, you can log in to your friend's account and impersonate him/her to speak like his/her. Your friends can also log in to your account and post something that sounds like you.
These posts can be reacted to with an "Alike!" instead of a "Like!" so that followers can evaluate the "personality" of the post. In some cases, a post spoofed by a friend may be considered more like you than a post you came up with yourself. In some cases, a post impersonated by a friend may be rated as more "you" than a post you made yourself.Through these experiences, you can think about what the social me is.
Currently, a variety of behaviors have been confirmed in Hack in. For example, there are users who use other people's accounts to say things that they feel uncomfortable saying in their own characters, and there are users who pretend to be impersonated and make poetic posts that they would not normally say.
In this way, Hack in is a post-individual (dividual) social network that democratizes the "I" as an individual, and makes the "I" for citizens appear as an alter ego.
Hack in is a social media that connects the "I" for me and the "I" for you by blurring the boundaries between self and others. -
作品の素材・仕様
本作はSNSというデジタルコミュニティとしての作品です。
現在は招待制での運用となっておりますが、スマートフォンがあれば誰でも体験することができます。
こちらのURL( https://hackin.wiki/ )から申請していただければ(信頼のできる方に限り)β版の招待コードとダウンロードリンクをお送りします。α版はパブリックで運用していましたが、現在は閉鎖中です。
また無形な作品のため寸法、重量、面積がありません。展示をする場合は映像としてHack inの様子を出力することになりますが、その場合は17インチのモニターを利用します。重量は4.0kgほどで、壁掛けにすることが多いです。 -
作品の素材・仕様(英語)
This work is a digital community of social networking.
It is currently an invitation-only operation, but anyone with a smartphone can experience it.
The alpha version was public, but is now closed.
Also, because it is an intangible work, it has no dimensions, weight, or area. When I exhibit it, I will output the hack in as a video, in which case I will use a 17-inch monitor. It weighs about 4.0kg and is often hung on the wall. -
作品のリファレンスURL
https://kuma-foundation.org/news/3374/, https://www.hackin.wiki/
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作品の映像URL
https://vimeo.com/297550093
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公式サイト、もしくはSNSのURL
http://kooh.me/, https://www.facebook.com/kou.ishihara.37/, https://twitter.com/as_kou
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
Hack inを通せば、個人としての故人を分人として再現することができます。例えば、松下幸之助さんはこの世にはいませんが、身は滅びても思想は潰えていません。人柄や印象は人々の中に残留しつづけています。それらに基づいてみんなで松下幸之助さんらしいことをつぶやき、集合知としての松下幸之助さんに今の時代について言及してもらうことも可能です。
本作はこのように死者の思想をソーシャルな手法で現世に留め「死人に口無し」という通念を覆し、時代を超えて彼らに物事を尋ねることができます。「世界文化」が人の思想を起点とするのであれば、その基礎を支える仕組みになるかもしれません。
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友達のアカウントにログインできるSNS Hack in
インターネットは民主化のためのメディアといわれ、多く権威を分散してきた。その分散化の流れは、国、大企業、ときて現在は分散された力が個人にまでたどり着く。しかし、国、大企業、個人と分散しているのだから、その個人ですら分散されるというシナリオが実現されるかもしれない。社会の最小単位である個人までもが分散された時、どのような可能性が生まれるのだろうか。
こうしたテーマに基づいて生まれたサービスが「他人のアカウントにログインすることができるSNS Hack In」である。Hack inは個人に集権化されているアカウントを運用する権限を友達に分散し、個人を分人化するSNSであり、創造的ななりすましによって「私とは何か」という問いをつきつける。
こうしたテーマに基づいて生まれたサービスが「他人のアカウントにログインすることができるSNS Hack In」である。Hack inは個人に集権化されているアカウントを運用する権限を友達に分散し、個人を分人化するSNSであり、創造的ななりすましによって「私とは何か」という問いをつきつける。