He's a voter. But the vote he casts is dead.
Pepper is an obedient rebel. They are our reflections in a distorted mirror, unable to escape the magic of the electoral system.
Game Instructions: Simple child's play exposes the gulf in the world.
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作品タイトル(日本語)
拳を掲げ宣言せよ:民主主義の真実と諦念
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作品タイトル(英語)
Democrobotics
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制作物のコンセプトを記載してください。
民主主義とは何か? 辞書を引いて解説に目を通し何度か音読してみたり、権威を振りかざす先生に聞いたり、意識の高い若者と酒を酌み交わしたりして、私たちはおぼろげながら、その不安定な概念の正体を知る。しかしそれはどこまで突き詰めても理想像に過ぎない。「Democrobotics」はその現実を民衆に突きつけるための装置である。
無機物により構成された愉快な友達、別名「ペッパーくん」は、この場において政治家となる。これはグー党・チョキ党・パー党に投票することで擬似的に間接民主主義を体験するゲームである。「小選挙区制では少人数派の意見が反映されにくい」「全員が最適解を選ぶことで非最適解が選ばれてしまう」「アメリカのElectoral collegeではなぜ多数派が負ける逆転現象が起きてしまうのか」などを体験できる。
また、「大人数で何台かのロボットを動かして意思決定をする」という体験を通して、国民が政治家という「偉い人」に我々が「動かされている」感覚から、政治家は我々の「代弁者」であって、選ばれなければ職を失うような立場の人なのだということを感じてもらう。ペッパーはマニフェストに従って演説するだろう。彼らは皮肉の効いたセリフやカリスマ的なボディーランゲージを通じて、我々に民主主義の真実を知らしめるだろう。理想は崩れ去り、そこから新たな社会が芽吹く。
以上のプロジェクトは進行中である。年末あるいは年が明けた後に、渋谷の広場でペッパーくんたちは行動を開始する。我々はそれを映像に収め、また双方向的に多くの人に体験してもらうよう働きかける予定である。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
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作品の素材・仕様
この作品ではペッパーくんを多数用いる。以下に個体ごとの簡単な情報を記す。
サイズ(高さ×幅×奥行):1210×480×425 [mm]
重量:29kg
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
容量:30.0Ah/795Wh
稼働時間:最長12時間以上
センサー
頭:マイク×4、RGBカメラ×2、3Dセンサー×1、タッチセンサー×3
胸:ジャイロセンサー×1
手:タッチセンサー×2
脚:ソナーセンサー×2、レーザーセンサー×6、バンパーセンサー×3、ジャイロセンサー×1、赤外線センサー×2
ディスプレイ:10.1インチタッチディスプレイ
移動速度:最大2km/h
移動可能段差:最大1.5cm -
作品の素材・仕様(英語)
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作品のリファレンスURL
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作品の映像URL
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公式サイト、もしくはSNSのURL
https://twitter.com/Democrobotics
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
「民主主義は最悪の政治形態といわれてきた。他に試みられたあらゆる形態を除けば」というチャーチルの言葉はあまりにも有名である。この作品は民主主義を支える選挙制度の欠陥を暴き、それを皮肉ることによって、民衆の民主主義に対する漠然とした信頼感を一度拭い去り、「批判的思考」を芽吹かせるためのものである。「雨降って地固まる」という言葉の通り、民衆の民主主義に対する意識と参加のモチベーションは、この作品に触れる前と後とで大きく変化することを確信している。