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もぬけの国

政治的話題を口に出すことがはばかられる空気が漂う現代日本。戦後、あるいは学生運動以後、日本人は無意識にこの重苦しい抑圧のもとにいる。皇居は空虚な中心である。ロラン・バルトはそう述べて日本的なるものを鮮やかに描いた。しかし、むしろこの空虚な皇居こそ主体性を失った日本と日本人を表徴しているのではないか。この問いかけをはじまりとして、天皇解放後の建築構想、現代日本の神話を日本人へと捧げる。

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