CREATIVES

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Ocean Pandæmonium -The Noisy Plasticscape-

私が海の底に住むことはできないが、水の膜に穴をあけ、海の住人に耳を澄ませることはできるかもしれない。
本作品は、人新世における人間の位置付けと、海の生物に及ぼす影響についてのサウンドインスタレーションである。現代、海洋環境におけるプラスチックの有害性が議論されているが、人間が陸から眺める海は穏やかで美しく、微塵も問題を感じさせない。しかし水の膜を隔てた海では、生命にとって危機的な状況が広がっている。我々人間は海に住むことはできず、その境界を超えることはできない。そこで、仮想的な海を創り上げ、音というレンズを通じて海の状況と歴史を覗き込む。

鑑賞者が瓶に近づくと、水が渦を巻き始め、綺麗な水の音が聞こえ始める。
次に鑑賞者は小さなプラスチックの破片をその渦の中に入れる。このプラスチック片は実際の海から拾ってきたものだ。この「プラスチックを捨て入れる」行為を鑑賞者が行うことによって、あなたという人間も海に関わっていることを意識する。

プラスチックを入れた状態で音を聞いても、依然として水の音のみ聞こえ、プラスチックの音は認識できない。これは陸から海を見た時の穏やかで問題のない海に似ている。そして、鑑賞者はヘッドフォンを装着し、音のレンズを通して海の中を垣間見る。すると、水中マイクが捉えたプラスチックの音が聞こえ、生き物たちが見ている海を認識する。
しばらくヘッドフォンで音を聞いていると、海の生き物の声が聞こえ始める。しかし、その声は徐々に歪んでいく。この音の歪みは、1950年代から現在までの海のプラスチック変化量のデータや、鑑賞者と瓶の距離、水中マイクが捉える音の大きさによって変化していく。最終的にプラスチック音と歪んだ音しか聞こえなくなり、生物の声は消滅する。いつか本物の海からも声がなくなってしまうのだろうか。

動画リンク
https://www.youtube.com/watch?v=S5RVdKZ2_5Y

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