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男女賃金格差を学ぶすごろく「ペイアテンション」
現代日本社会における男女賃金格差について、国や機関が公開している関連データをもとに、現状とその背景・原因について周知し、理解を深めることを目的としたすごろくゲーム「ペイアテンション」を制作しました。
内閣府や総務省、厚生労働省、その他関連機関が公開している統計データを参照すると、現代の日本における男女の賃金格差は近年縮小傾向にはあるものの自明なものであり、ジェンダーギャップ解消に向け取り組むべき大きな課題のひとつであることがわかります。しかし、個人的な感覚としては、データ上明確に存在する格差も、生活の中では実感として把握が難しい場合が多いように感じています。そしてそう感じる背景にはおそらく、この社会では男女の性別二元論に基づいた性役割をそれぞれ要求される機会が少なくないこと、そして個人がその枠組みを越えることの困難さが少なからず関係しているのではないかと考えました。リサーチを進める中で、ただデータをわかりやすく整理し概観するだけでは見過ごされてしまう個人の、しかしある程度性別や立場によって共通した経験や状況があり、それらについて相互に共有と議論を深めていくことの重要さを感じました。そこから、自分とは異なる他者の生活やそれぞれに課される課題について疑似体験を通じ学びを深める、という形態が取れるすごろくをメインの媒体として採用しました。
今回制作した「ペイアテンション」内では、男性役/女性役が設定されており、プレイヤーは日常生活の中で期待されることの多い性役割とは異なる役を選択し、自分とは異なる立場(ジェンダー)として賃金格差を疑似体験していきます。さらに、暗記シートの仕組み(緑のシートをかざすと赤い部分が暗く、赤いシートをかざすと赤い文字が薄くなり見えにくくなる)を利用したメガネをかけることで、相手の置かれている状況(コマの指示)を見えにくくし、より現実に近い状況を演出しました。男性役のプレイヤーは赤いレンズの眼鏡を、女性役のプレイヤーは緑色のレンズの眼鏡をかけることで、相手に与えられたコマの指示内容が見えにくくなります。
プレイヤーはゲームの中で複数回賃金を受け取りますが、女性役・男性役で異なる金額が設定されています。順当に回れば、ゴール地点でそれぞれの手元に残った総報酬の差額は、現在の日本における男女賃金格差と同等の割合(=男性一般労働者の給与水準を100とすると女性一般労働者の給与水準は75.7)になります。その結果と、ゴールまでの道のりで取得した、男女賃金格差の背景や原因についての情報をまとめたカードを手がかりに、ゲームの進行中や終了後の議論を促す、という使用方法をイメージして制作しました。
また、「ペイアテンション」というネーミングは、「〜に注意を払う」という意味の「pay attention」と主題である賃金=「pay」をかけたものです。賃金格差という問題や自分とは異なる立場の存在に対して意識を向ける・注意を払うきっかけになってほしいという思いを込めました。
内閣府や総務省、厚生労働省、その他関連機関が公開している統計データを参照すると、現代の日本における男女の賃金格差は近年縮小傾向にはあるものの自明なものであり、ジェンダーギャップ解消に向け取り組むべき大きな課題のひとつであることがわかります。しかし、個人的な感覚としては、データ上明確に存在する格差も、生活の中では実感として把握が難しい場合が多いように感じています。そしてそう感じる背景にはおそらく、この社会では男女の性別二元論に基づいた性役割をそれぞれ要求される機会が少なくないこと、そして個人がその枠組みを越えることの困難さが少なからず関係しているのではないかと考えました。リサーチを進める中で、ただデータをわかりやすく整理し概観するだけでは見過ごされてしまう個人の、しかしある程度性別や立場によって共通した経験や状況があり、それらについて相互に共有と議論を深めていくことの重要さを感じました。そこから、自分とは異なる他者の生活やそれぞれに課される課題について疑似体験を通じ学びを深める、という形態が取れるすごろくをメインの媒体として採用しました。
今回制作した「ペイアテンション」内では、男性役/女性役が設定されており、プレイヤーは日常生活の中で期待されることの多い性役割とは異なる役を選択し、自分とは異なる立場(ジェンダー)として賃金格差を疑似体験していきます。さらに、暗記シートの仕組み(緑のシートをかざすと赤い部分が暗く、赤いシートをかざすと赤い文字が薄くなり見えにくくなる)を利用したメガネをかけることで、相手の置かれている状況(コマの指示)を見えにくくし、より現実に近い状況を演出しました。男性役のプレイヤーは赤いレンズの眼鏡を、女性役のプレイヤーは緑色のレンズの眼鏡をかけることで、相手に与えられたコマの指示内容が見えにくくなります。
プレイヤーはゲームの中で複数回賃金を受け取りますが、女性役・男性役で異なる金額が設定されています。順当に回れば、ゴール地点でそれぞれの手元に残った総報酬の差額は、現在の日本における男女賃金格差と同等の割合(=男性一般労働者の給与水準を100とすると女性一般労働者の給与水準は75.7)になります。その結果と、ゴールまでの道のりで取得した、男女賃金格差の背景や原因についての情報をまとめたカードを手がかりに、ゲームの進行中や終了後の議論を促す、という使用方法をイメージして制作しました。
また、「ペイアテンション」というネーミングは、「〜に注意を払う」という意味の「pay attention」と主題である賃金=「pay」をかけたものです。賃金格差という問題や自分とは異なる立場の存在に対して意識を向ける・注意を払うきっかけになってほしいという思いを込めました。