【使い方で輪郭と名前が変わるテーブル】
小さなギャラリーカフェのためにデザインしたテーブル。
様々な人数の組合せに対応できるカフェテーブル、ギャラリーの展示台の用途が必要であるという要望からデザインがスタートした。
小さな空間では限定された用途だけではなく、「兼ねること」が非常に重要であり、その中で「主張しすぎないデザイン」とすることが作品を展示するギャラリーへの最低限の配慮であると考えた。
そこで同一デザインの2人用のテーブルを異なった高さで3脚デザインした。
高さの違うテーブルがつながったり離れたりすることで、様々な用途や状況に対応していく。
1脚並べたときの「タネ」
2脚並べたときの「フタバ」
3脚並べたときの「ハナ」
まっすぐ並べたときの「ツル」
一人で本を読む、二人でお茶をする、三人で会話をする、展示を挟んで各々の時間を楽しむ。
ここでは書ききれないほどの様々なバリエーションの中で、このテーブルは輪郭と名前を変えながら空間と用途に寄り添っていく。
単体ではいわゆる普通のテーブルに「高さを変えて並べる」という要素を加えることで様々な状況に対応できる可変性を得ることができた。
「seed table」、蒔いた種が思うがまま自由に伸びていくように、自由な発想と様々な状況の中で、のびのびと楽しんで輪郭と名前が日々変わっていくことを願っている。
写真 : 植村崇史写真事務所 植村崇史

【ツル】真ん中を展示台にして両脇のテーブルを各々使うことができる

【タネ】テーブルでお茶をしたり本を読んだり

【フタバ】二つ並べて会話したり、各々で楽しんだり

【ハナ】3人一緒でもそれぞれ別々でも使うことができる