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カブセがトートに可変するランドセル

以前からランドセルのカブセが気になっていました。あれだけ大きな面積を占めているのに役割としてはまさにフタのみ。とはいえ一発で中身にアクセスできる手軽さは子供にとってのユニバーサルデザインと言えますし、何より日本の児童通学鞄のアイコンとして確固たる地位を築いております。

そこでフォルムはそのままに、機能を一つ追加しました。学校や学童、図書館で発生した想定外の持ち物を入れるための、ランドセルから分離できるサブバッグの提案です。

フォルムと新しい機能を両立し、子供たちの使い勝手を確保するためには様々な解決すべき課題が予想されます。

・既存のカブセの厚みからなるべく逸脱しないよう、革の厚みや底になるササマチには薄くて強度がある素材の選定が必要になります。

・本体とカブセの接合は面ファスナーを想定しています。少し力が必要になるかもしれませんが、剥がし方や面ファスナーの選定を慎重に検討することで解決できると考えます。

・カブセを取ったあとの本体にフタをする「仮カブセ」が必要となります。既存カブセと同様に背面の面ファスナーに貼り付ける形が考えられます。仮カブセの素材や収納も検討課題となります。

・差込(ベロ)とカブセの脱着は7050等のホックを想定しておりますが、差込の形状や接合方法など新たに検討開発が必要かもしれません。


ランドセルは児童が初めて所有する特別な道具です。6年後に役目を終えてもトートバッグとして使い続けたくなるようなプロダクトを目指します。

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