- 35
P.I.(Playable Introduction)
本作「P.I.」はとある作家による展示会での自己紹介テキストに代わるものとして制作されたビデオゲームである。来場者は作家が実際に住んでいる家を舞台にしたゲームをプレイすることで作家の断片的な情報を獲得しながら作家の素性に迫っていく。
多くの展示会において作家の自己紹介はプロフィール文の形式でテンプレート化されており、そこから作家が浮かびあがることは少ない。では、鑑賞者が作家に接近するにはどのような方法があるだろうか?
サミュエル・ベケットによる「ゴドーを待ちながら」では、登場人物たちが終始ゴドーについて語るが最後までゴドーは現れない。読者は、ゴドーとはいったい何者であったのかについて自然と思考を働かせ、その存在に迫りたい欲求に駆られる。ここにあるのは対象の非存在であり、それがかえって読者のゴドーへの接近する動機を強化する。私たちはこのような構造を作家にまつわる伝聞を収集していくというゲーム形式の自己紹介に転用することで鑑賞者が能動的に作家に迫っていくような体験を作ることを試みた。
プレイ動画 : https://youtu.be/RCTvs0sCGfA
多くの展示会において作家の自己紹介はプロフィール文の形式でテンプレート化されており、そこから作家が浮かびあがることは少ない。では、鑑賞者が作家に接近するにはどのような方法があるだろうか?
サミュエル・ベケットによる「ゴドーを待ちながら」では、登場人物たちが終始ゴドーについて語るが最後までゴドーは現れない。読者は、ゴドーとはいったい何者であったのかについて自然と思考を働かせ、その存在に迫りたい欲求に駆られる。ここにあるのは対象の非存在であり、それがかえって読者のゴドーへの接近する動機を強化する。私たちはこのような構造を作家にまつわる伝聞を収集していくというゲーム形式の自己紹介に転用することで鑑賞者が能動的に作家に迫っていくような体験を作ることを試みた。
プレイ動画 : https://youtu.be/RCTvs0sCGfA