映像は常に入力と出力を伴う。言い換えれば記録(カメラやコンピュータによる生成)と再生(ディスプレイやプロジェクターによる表示)がその性質の本質といえるだろう。テレビ登場以降はライブ性もそこに加わった。
そのような映像の性質そのものを表現として浮かび上がらせることはできないか。ディスプレイに映像を表示させ、ディスプレイを映すカメラの映像をプロジェクターからディスプレイに投影することで、ビデオフィードバックループを画面に出現させた。このことによって、往々にして映像の外側にはじかれてしまう鑑賞者の存在を映像の内側にも取り込んだ。
送り手と受け手が必ずしも一通ではなく主体と客体が入れ替わり続けるこの光景は、ループや輪廻といった永劫性を想起させる一方で、あらゆるものがコンテンツ化する今日の情報消費社会の様相をも表象しているようだ。
https://hiromasamaeda.wixsite.com/portfolio/the-pasts-in-the-future
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2024/05/21(火) Updated
画面に手をかざした様子
かざした手が映像の中に取り込まれたような錯覚が生じる
画面中央の様子
全体の様子