flower plate

flower plateは、日常使いのお皿に“物語”を込めてデザインできる新しい体験を提供します。

ユーザーはWeb上で、誰かを想う気持ちや自分の物語を込めて花や木を選び、形や模様を自由にデザインし、世界に一つだけの木のお皿を生み出すことができます。想いや季節を映したお皿は、日常にささやかな豊かさや自然への気づきをもたらし、贈り物としても人と人をつなぎ暮らしに彩りを添えます。

パラメトリックオーダーシステムと独自CAM技術により、デザイン確定後すぐに加工データが生成され、CNCルーターで自動切削。自身の木工の経験を活かした材料管理と手仕上げで、高品質かつ多様なflower plateを実現しています。単なる大量生産や従来の一品制作とは異なる、“デジタルクラフト”の新しい可能性を追求しています。

“花をデザインし、暮らしに咲かせる”という新しい体験を通して、しなやかな感性や豊かな日常を育むお皿です。

現代のように社会や価値観がめまぐるしく変化する時代には、一つの視点や仕組みに固執していては変化に対応することができません。だからこそ、さまざまな視点や枠組みを重ね合わせ、状況に応じて柔軟に組み替えられる「多層的な柔軟性」こそが本質的な柔軟性(Flexibility)だと私は考えています。

flower plateの柔軟性は、5つの層が順に重なり合うことで成り立っています。
1つ目は、花という生物が持つ“遺伝子の柔軟性”。環境の変化にしなやかに適応し、多様なかたちを生み出してきた花の進化こそが、flower plateにおける柔軟性の原点です。
2つ目は、このシステムを実現するために、私自身がデザイン・木工・デジタルファブリケーション・Web開発など、多分野の知識と技術を柔軟に組み合わせてきた“知的な柔軟性”。この分野横断的な学びと実践が、flower plateが実現する体験の基盤となっています。
3つ目は、上記を土台として生まれた、ユーザー自身がWeb上で花びらの形や模様を自在にデザインできる“プロダクトとしてのパラメトリックな柔軟性”。ここでは自然の多様性が、ものづくりの体験として再現されます。
4つ目は、従来独立していた多様な木工の手法や領域を、柔軟につなぐものづくりの在り方。伝統工芸による手作業の一点物、木工家によるオーダーメイド、工場による大量生産…そうした既存の枠組みの“あいだ”を横断し、柔軟につなげて新たな価値を生み出す展開可能性を持っています。
5つ目は、この“開かれた仕組み”を通じて、ユーザー自身がデザインに参加し、まだ誰も見たことのない花や、そこにまつわる新たな物語を器に込めることで、flower plateの世界そのものが絶えず進化し続ける“共創的な展開可能性”です。ここでは、作り手と使い手の境界が溶け合い、ユーザーから生まれた発想やストーリーが新たなデザインやサービスに還元され、プロダクトの枠組み自体も変容していきます。
このように、flower plateは単なる多様な器の提供にとどまらず、使い手とともに文化や価値観までをも育む、“進化し続ける場”となっています。

これらの多層的な柔軟性(Flexibility)が、flower plateの本質であり、現代社会から“しなやかな未来”へとつなぐ提案です。