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使用シーン
使用シーン
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説明文
タイルの溝にはめ込んだホースが、掛ける・置く・挟むといった家具の動作を担います。
本来家具をデザインする際、既存の動作を元にデザインを考えますが、今回は動作のデザインも行いました。形が容易に変わるチューブをタイルの規則に沿わせることによって新たな動作を生み出し、さらに本来の用途ではない使い方であるにも関わらず強度やカスタム性などの家具として機能する新しい価値を常に手を動かしながら考え見出しました。そして艶やかで柔らかい水場で使うホースとマットな質で固く水に弱いMDFを一つにすることで対比の効いた造形を目指しました。 -
制作物の柔軟性(Flexibility)についてご記入ください。
ホースという本来は水を通すための柔軟な素材に着目し、そのしなやかさを家具としての機能に転用することで、新たな価値を見出しました。制作の過程では、手を動かしながら試行錯誤を重ねる中で、ホースを曲げることである程度の荷重に耐え、形を保つことができると発見しました。一般に「形が変わりやすい」と捉えられるホースを、タイルの溝にはめて曲げた状態で固定することで、服を掛けるためのラックなどとして成立させ、その柔軟性と構造的安定性の両立を図りました。
また、ホースの長さや弾力性は「掛ける」「挟む」「支える」といった家具の基本的な動作に適しており、それをあえて本来の用途とは異なる文脈で用いることで、素材の持つしなやかさを新しい表現手段へと昇華させています。さらに、水回りで使われる艶やかなホースと、乾燥した質感のMDFという対照的な素材を組み合わせることで、視覚的にも機能的にも「柔」と「剛」の関係性を際立たせました。

