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部屋をカメラにする

その他
本企画は、借用可能な部屋を暗幕で遮光し、カメラ・オブスキュラの原理を利用して外部の景色を室内に投影します。部屋自体を巨大なカメラとして機能させ、建築空間と外部の風景が直接つながった映像体験を得ることを目的とします。

ComoNeで使用可能な部屋や空間を募り、選定します。その部屋を暗幕で遮光します。暗幕に一つ小さな穴を開けると穴から光が入り込み、反対側の壁に上下が反転した像が投影されます。これはカメラ・オブスキュラという建築空間を利用した原始的なカメラです。カメラといっても画像や動画が記録・定着できるものではなく、目の前で光が映す「生の映像」です。映画のようなフレームレートや解像度が無く、ただ時間と光がある原始的な映像体験といえます。ここで得られる像は、その建築が建ったときから窓越しに見ている映像ともいえるのではないでしょうか。一時停止も再生もできない映像体験は、映像の消費化・加速可に対し、ゆっくりと像を受け止める時間を提示します。ぼーっと観察するように映像を体験し、目と記憶で像をとらえる行為を捉え直します。

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