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融ける像/zoe
《融ける像/zoe》は、アニメーションに宿るzoe(生命感)が立ち上がるプロセスを、人間による像の補完とAIによる像の補完の両面から観察し、そのプロセスに内在する人間の知覚による想像力を体感する作品である。
鑑賞者は、カメラの前に置かれたデッサン人形を用いて6コマの像を撮影する。AIは、撮影された6コマの像の間を1コマずつ補完する像を6枚生成する。そして、鑑賞者は撮影された6枚の像と生成により補完された6枚の像の合計12枚の像を並べた一連の動きをメディア装置であるゾートロープを通して観察する。
ゾートロープの回転速度は徐々に変化していく。回転が遅いときにはAIによって不完全に補完された像が知覚できる。このとき違和感を少し抱きながらもzoeを感じ取る。しかし、回転が早くなると人間の知覚による像の補完が強く働き、AIによって補完された不完全な像は人間の補完に融けて、違和感が消失したzoeが立ち上がる。これは、補完された像が融けることで生まれるzoeは、人間の知覚によって不完全さを塗りつぶして想像することで完全なzoeを作り上げているとも言える。
本作は、違和感のあるzoe(生命感)と違和感の消失した完全なzoe(生命感)のグラデーションをメディア装置であるゾートロープを用いることで表現し、人間の持つ知覚による想像の力を提示する。
鑑賞者は、カメラの前に置かれたデッサン人形を用いて6コマの像を撮影する。AIは、撮影された6コマの像の間を1コマずつ補完する像を6枚生成する。そして、鑑賞者は撮影された6枚の像と生成により補完された6枚の像の合計12枚の像を並べた一連の動きをメディア装置であるゾートロープを通して観察する。
ゾートロープの回転速度は徐々に変化していく。回転が遅いときにはAIによって不完全に補完された像が知覚できる。このとき違和感を少し抱きながらもzoeを感じ取る。しかし、回転が早くなると人間の知覚による像の補完が強く働き、AIによって補完された不完全な像は人間の補完に融けて、違和感が消失したzoeが立ち上がる。これは、補完された像が融けることで生まれるzoeは、人間の知覚によって不完全さを塗りつぶして想像することで完全なzoeを作り上げているとも言える。
本作は、違和感のあるzoe(生命感)と違和感の消失した完全なzoe(生命感)のグラデーションをメディア装置であるゾートロープを用いることで表現し、人間の持つ知覚による想像の力を提示する。
