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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案では、駅前や繁華街の雑居ビルに立地する都市型小規模パチンコ店を対象とする。郊外型大型店舗とは異なり、都市型店舗は公共交通でアクセスされ、徒歩圏の日常の中に存在してきた都市特有の空間である。しかし近年は、パチンコ人口の減少や経営効率の追求により、大型店舗への集約や閉店が進み、都市から徐々に姿を消しつつある。一方で、その内部では遊技だけでなく、喫煙、休憩、待ち合わせ、高齢者の滞在など、本来想定されていない使われ方が日常的に生まれている。本提案は、この都市型パチンコ店を「絶滅危惧空間(RED SPACE)」として捉え直す。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
都市型パチンコ店は、資本主義的な娯楽装置として成立してきた空間である。遊技による利益を生み出すために制度や空間が設計され、都市における消費を支える装置として機能してきた。一方で、その内部では事業者が想定しなかった利用実態が生まれている。喫煙所やトイレだけを利用する人、長時間滞在する高齢者、居場所として時間を過ごす人など、遊技を目的としない利用者が存在しているのである。
現代都市では、再開発や利便性、安全性の向上が進められる一方、不動産価値や経済合理性が都市空間の形成を大きく方向づけている。その結果、防犯や管理の強化によって、公共空間は「管理しやすい利用者」を前提とした場所へと変化し、滞留や目的のない利用は排除されやすくなっている。
しかし都市型パチンコ店だけは、その匿名性やアクセス性によって、多様な人々を偶然受け入れる都市の受け皿となってきた。この匿名的な包摂性こそが都市型パチンコ店の都市的価値である。しかし、その空間自体は経営の集約化によって消滅しつつある。私は、この「都市の匿名的受け皿」が失われることこそ、都市における新たな公共性の喪失であると考える -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本提案は、都市型パチンコ店を就労支援施設へ単純に用途変更するものではない。遊技施設として成立してきた匿名的な居場所という都市的性質を維持しながら、新たな公共性へと接続することを目的とする。
近代において公共圏は、カフェやサロンのように、市民が自由に集い議論する場として成立してきた。しかし現代都市では、公共空間は管理や安全、経済合理性を優先することで、滞留や目的のない利用を排除する方向へ向かっている。多様性が語られる一方で、実際には制度や市場の枠組みに適応できる主体が中心となり、その外側に置かれる人々は都市の中で居場所を失いやすい。
そこで本提案では、都市型パチンコ店の上階に、若者支援を行うNPO、Food Lab、地域食堂などを段階的に重ねる。重要なのは、これらを独立した福祉施設として計画するのではなく、既存のパチンコ店と一体的に配置することである。遊技だけを目的として訪れた人が、食事、相談、軽作業、就労支援へと緩やかにつながる選択肢を持てるようにする。既存の「三店方式」に対し、支援へ接続する新たな回路を付加する「3+1方式」として再構成する。
ここでNPOは、行政や市場では十分に包摂できない人々を支える主体として位置付ける。ホームレス支援、若者支援、外国人支援など、制度の狭間にいる人々に対して公共的な役割を担ってきたNPOを都市型パチンコ店と接続することで、偶然成立していた匿名的な包摂を、持続可能な公共的実践へと変異させる。
本提案が変異させるのは建築用途だけではない。都市型パチンコ店がこれまで偶然担ってきた「匿名性」「受容性」「居場所性」を、現代における公共性として再設計し、資本主義的娯楽装置を、都市の新たな公共インフラへ更新することを目指す。
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ANONYMOUS COMMONS
都市型小規模パチンコ店は、経済合理化によって都市から姿を消しつつある。一方で、その匿名性は遊技以外の多様な滞在を受け入れ、都市の受け皿として機能してきた。本提案は、その上階にNPOとFood Labを重ねることで、偶然存在していた包摂性を新たな公共性へと変異させる。
