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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案では、ゴルフ人口の減少や維持管理費の高騰により、全国で閉鎖・縮小が進むゴルフ場を対象とする。提案地は群馬県富岡市の旧ゴルフ場を想定するが、本提案は全国の遊休ゴルフ場へ展開可能なモデルである。ゴルフ場はフェアウェイ、池、森林、カート道、クラブハウスなどが一体となった人工ランドスケープであり、広大な土地と既存インフラを有している。この競技のためだけに維持されてきた風景を、ケア・教育・農業が循環する「生涯学習ランドスケープ」へ変異させる。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
ゴルフ場は高度経済成長期に生まれた余暇のための人工ランドスケープである。しかし、ゴルフ人口の減少や維持管理費の高騰により、その多くが閉鎖・縮小し、広大な土地は新たな役割を求められている。
ゴルフ場は自然の中にあるように見えるが、実際には造成によって形成された地形である。フェアウェイや池、水路、カート道などの空間構成は長年の維持管理によって成立しており、管理を停止したからといって容易に里山へ戻るものではない。さらに近年はメガソーラーへの転用も進んでいるが、それは土地を単一用途へ置き換える利用であり、多様な人々が関わる地域の場を生み出すことは難しい。また、ゴルフ場は会員制施設として地域との接点が少なく、広大な土地が地域を分断する存在でもあった。
一方、大学では都心回帰が進む一方で、地域と連携するサテライトキャンパスの需要が高まり、高齢化に伴ってケアハウスや生涯学習の必要性も増加している。
私は、ゴルフ場が持つ人工ランドスケープと既存インフラを活かすことで、これらの社会課題を一つの土地で結び直せると考えた。地域を分断していたランドスケープを、世代や専門分野をつなぐランドスケープへ変異させることが、本提案の出発点である。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本提案は、ゴルフ場を別用途へ転用する計画ではない。競技のために設計された人工ランドスケープそのものを読み替え、新たな社会基盤へ変異させる提案である。
フェアウェイは実験農地や放牧地として、生産だけでなく教育・研究のフィールドとなる。ラフは自然再生エリアとして生物多様性を育み、池はビオトープや水循環を学ぶ場へ、バンカーは屋外教室や交流空間へ、カート道は歩行・自転車・小型モビリティをつなぐ回遊動線へと変化する。ゴルフ場の地形そのものが教材となり、ランドスケープ全体がキャンパスとして機能する。
既存のクラブハウスは施設全体の受付・インフォメーションセンターとして活用する。その先のランドスケープには、ケアハウス、研究棟、温室、実験施設などを地形や植生を活かしながら分散配置する。建築は主役ではなく、ランドスケープで展開される活動を支える拠点として計画することで、土地全体が学びと暮らしの場となる。
ケアハウスは介護施設ではなく、生涯学習の拠点でもある。高齢者は大学の授業を受講し、新しい知識や技術を学び続けるとともに、農業や地域文化、生活の知恵を学生へ伝える教育者にもなる。学生は高齢者と共同で農業や研究、地域活動に取り組み、世代を超えた学びとケアの関係を育む。
大学は一校が土地を所有するのではなく、全国の大学が研究や実習の目的に応じて一定期間利用するサテライトキャンパス・プラットフォームとして運営する。農学部は実験農場を、建築学部はランドスケープスタジオを、芸術系大学はランドアートを、医療・福祉系大学は地域ケアを展開する。土地を「所有するキャンパス」から「共有するフィールド」へと転換することで、都市と地方を往来する新しい教育システムを提案する。
運営は自治体、大学、地域住民、企業、農業団体が共同で担う。企業は実証実験を行い、大学は教育・研究を担い、地域は農業やケア活動を支える。農産物の販売、公開講座、共同研究などの収益を施設運営へ還元することで、教育・福祉・農業が相互に支え合う持続的な仕組みを構築する。
本提案が目指すのは、ゴルフ場を保存することでも、単一用途へ置き換えることでもない。競技のためだけに管理されてきた風景を、誰もが学び、教え、育て、支え合う「生涯学習ランドスケープ」へ変異させることである。閉じた会員制の土地だったゴルフ場は、時間と知識を共有するコモンズとなり、地域の未来を育む新しい場所へと生まれ変わる。
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パー72の記憶
ゴルフ場は競技のために設計された人工ランドスケープであり、管理を止めても容易に里山へ戻ることはない。一方で、その広大な地形や既存インフラには、新たな社会基盤となる可能性が残されている。本提案では、閉鎖されたゴルフ場を、大学のサテライトキャンパス、ケアハウス、農地を重ね合わせた「生涯学習ランドスケープ」へと変異させる。
