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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
この提案では、減少するガソリンスタンド、特に都市部における店舗について取り上げる。地方部と比較して都市部のSSにはコミュニティ形成における役割が小さい。しかし、インフラとして一定の距離ごとに存在している点において、地域欠測の拠点として働くポテンシャルを秘めている。都市部におけるSS改編のプロトタイプとして港区天現寺のSSを取り上げる。渋谷川が背後に流れるこの敷地は、大使館や教育施設、病院に囲まれ多様な人々が関わりをもちうる。この敷地を一事例とし、ガソリンスタンド運営会社と自治体が協働して請け負い、地域の繋がりを促進しつつカーボンフットプリントを減らす取り組みの一環として手がけることを想定した。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
都内のガソリンスタンドは10年で半数ほどまで激減するなど、エネルギーインフラは今まさに過渡期を迎えている。多くは再開発によって姿をとどめることがないだけでなく、地下タンクの除去のためには多額の費用がかかりそのまま放置されていることも少なくない。
一方近代化以降の都市の食文化とガソリン文化は離れがたい関係を結んできた。運送技術の進展で都市にいても各地の生鮮食品を食べることができ、ミシュランの3つ星はそのために(ミシュランタイヤを付けて)旅行する価値のある卓越した料理のことである。この背景から発想を得て、ガソリンスタンドの跡地を活用して、ガソリンインフラから都市農業インフラへ、地域コミュニティでの都市農業エコシステムを作るプログラムを考えた。
ガソリンスタンドの特徴として、都市の中に一定間隔をとって点在すること、水分を引き上げる能力、換気能力の高さ、そして地下にガソリンを貯蔵するタンクを保持している点があげられる。地域内に植生や動物のネットワークを構築していくことを考えると、その規模は半径1~2km圏内であり、ガソリンスタンドをその拠点にできれば好都合である。また、ガソリンは揮発性があるため、タンクは常時換気を必要とし、生活に必要不可欠なものでありながら、NIMBY(Not In My BackYard)である。このプラグラムでは、この特徴が農業に必要な肥料と同じ特徴であることに着目した。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本設計では、産業遺構としてのガソリンスタンドをコンバージョンし、インフラとしての特性を拾いあげながら、オイルに代わり肥料を都市の栄養素と捉え、都市農業の拠点としての再編を提案する。
全体としては、都市部のガソリンスタンドのうちの一部を都市農業拠点に転換することで、食を通じたコミュニティ形成を目指す。これによって、都市の中の緑化面積を向上させるだけでなく、教育的な観点においての食を通じた学びや、何かを育てる・作り出すという体験による、セラピーとしての効果も期待できる。
半径1km圏を一つのエコロジカルネットワークと捉えその中の一軒のガソリンスタンドを拠点として活用する。半径1kmは住民にとってウォーカブルなだけでなく、ハチやチョウなどの動物にとっての生育領域としても適切である。
現行のガソリンスタンドの地下には、オイルを格納するためのタンクが埋め込まれている。これをコンポスト用のタンクとして活用するというのが主なテーマである。地域内で回収された落ち葉や、指定の生ごみを地上から投入し、地下タンクにおいて醸成する。秋から冬にかけて落ち葉を回収し、半年をかけて肥料が必要になる春ごろから利用可能になる。また、地域で排出された生ごみを毎日150kg回収し15kLの砂と混ぜ合わせることで3ヶ月後から利用することができる。これによって地域(3km²内)で発生する約140tの生ごみのうち、55tを肥料として発酵させることができる。
完成した肥料のうち、固形の肥料はパックして地域に配分し、同時に生じた浸出液は敷地内の屋上庭園や畑において利用する。この拠点敷地内においても各所にプランターや花壇を設置して、野菜・くだものの栽培を行うことで、都市に多様な植生が実現するプロトタイプを示すことも重要である。
一軒のガソリンスタンドから、年間で1.6haの土壌に有効な肥料を作ることができ、その地域での都市緑化・都市農業をサポートする。これを都市全体で展開することで、大規模な都市圏においてネットワークが構成される。
具体的に設計を行った敷地は港区天現寺にあるガソリンスタンドである。この地域は周りを教育施設・病院・大使館に囲まれ、背後に渋谷川をもつ。都市農業が社会に還元できるバリエーションの広さがあり、この一軒をプロジェクト一例として設計した。
ガソリンスタンドのトレードマークであるキャノピーを取り除くのではなく、構造を顕しにし表面塗装のみを付加することで、都市の中の特異点として残り続けることができる。
RC造の直方体の躯体に、曲線状の吹き抜けや、キャノピー構造を活かした吊り構造の屋上庭園を造ることで、リノベーション前後のメリハリを作りつつ、コミュニティ内での活動に使いやすい場を提供する。また、渋谷川沿いに緑を持ち出すことで、流域周辺に緑を育て愛でる環境が拡張し新しいランドスケープを形成する。
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Feeds the City
インフラとしての特徴を活かし、都市に生きる人々の食生活に基づいたコミュニケーションを支援する。都市広域でプロジェクトを展開することでガソリンスタンドがカバーするコミュニティの活性化、例えば食育・植物セラピーなどを提供する。縮退するガソリンスタンドの中で、既存の地下タンクやキャノピーをただ除去するのではなくコンポスト、空中農園として再利用する。広域での展開のプロトタイプとして一軒のガソリンスタンドをコンバージョンし、建造物の新旧のメリハリをつけながら、都市農業のあり方の一つを提案する。
