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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案では、地方のガソリンスタンドを絶滅危惧空間として扱う。電気自動車の普及や人口減少、自動車利用の変化に伴い、地方では採算性の悪化から閉鎖が進み、その数は年々減少している。一方で、ガソリンスタンドは燃料を補給する場所であるだけでなく、地域の道路ネットワーク上に位置し、人や情報が行き交う公共性を備えた拠点でもある。提案対象は福岡県うきは市の既存ガソリンスタンドとする。うきは市は果樹栽培や温泉など豊かな地域資源を有する一方、観光は車による通過型利用が中心で、地域に滞在・交流する場が少ない地域である。提案先の事業主体は、既存ガソリンスタンド事業者と地域事業者(農家・観光事業者・自治体等)の連携を想定する。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
地方のガソリンスタンドは、電気自動車の普及や人口減少、燃料需要の減少などにより、その数が年々減少している。しかし、ガソリンスタンドが失われることは、燃料供給拠点がなくなるだけではない。道路沿いに位置し、地域住民や観光客、物流など多様な人々が日常的に交わる「地域の入口」であり「地域との最初の接点」でもある空間が失われることを意味している。
提案対象である福岡県うきは市は、果樹栽培や温泉など豊かな地域資源に恵まれ、多くの観光客が訪れる地域である。一方で、観光は道の駅や果樹園など限られた場所で完結しやすく、自家用車による通過型の利用が中心となっている。また、地域住民も車移動が主体であり、人が気軽に滞在し交流できる場所は決して多くない。
だからこそ、地域の道路ネットワーク上に存在し、誰もが立ち寄る可能性を持つガソリンスタンドには、新たな役割を担う潜在性があると考えた。給油だけを目的とした空間から、地域資源を体験し、人と地域、人と人をつなぐ交流拠点へと役割を更新することで、絶滅危惧空間を地域の価値を生み出す場所へと再生できると考え、本提案の対象とした。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本提案では、ガソリンスタンドを「燃料を補給する場所」から、「地域資源を体験し、人と地域をつなぐ交流拠点」へと変異させる。
その手法として、既存の給油機能を維持しながら、地域特産のフルーツを活用したカフェやドライブスルー、景色を楽しめる足湯を新たに導入する。観光客は移動の途中で地域の魅力に触れ、地域住民は日常的な憩いの場として利用できることで、これまで数分間の給油で終わっていた滞在時間を、地域を体験する時間へと変える。
さらに、キャノピー上部には水盤を設け、うきは市の山並みや田園風景、空を映し込むことで、建築そのものが地域の風景を取り込む装置となる。足湯からは実際の景色と水面に映る景色の両方を楽しむことができ、地域の魅力をより印象的に体験できる空間を生み出す。また、水盤は日射を和らげ、気化熱によって周辺温度を抑えるなど、快適な滞在環境の形成にも寄与する。
設備面では、地下タンクから発生する蒸発ガスの熱エネルギーを回収し、熱交換器とヒートポンプを介して足湯の温水へ利用する循環システムを計画した。既存インフラを新たな体験へ転換することで、環境負荷を抑えながら新しい価値を創出する。
社会実装においては、ガソリンスタンド事業者に加え、地域の農家や観光事業者、自治体が連携することで、フルーツの販売や地域イベントなど多様な活用が期待できる。給油だけを目的としていた空間が、観光客にとっては「地域との最初の出会いの場」、地域住民にとっては「日常的な交流拠点」へと変わることで、地域経済やコミュニティの活性化にもつながる。
本提案は、失われつつあるガソリンスタンドを単に保存するのではなく、地域資源や既存インフラを掛け合わせることで、新たな公共性と滞在価値を持つ地域の拠点へと更新するものである。地域の入口であり出口でもあるガソリンスタンドを、「補給から、つながりへ」と役割を変えることで、絶滅危惧空間を未来へ継承する新しいモデルを提案する。
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補給から、つながりへ。 ー地域資源が生み出す、新たなガソリンスタンドの価値ー
電気自動車の普及や人口減少により、地方のガソリンスタンドは急速に姿を消しつつある。本提案では、福岡県うきは市の既存ガソリンスタンドを対象に、「燃料を補給する場所」から「地域を体験し、人と地域をつなぐ場所」へと再定義する。地域特産のフルーツを活かしたカフェや、景色を楽しむ足湯、既存設備の熱エネルギーを活用した循環システムを組み合わせることで、地域資源と既存インフラを結び付けた新たな地域拠点を提案する。
