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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
対象とする絶滅危惧空間は、路線バスの廃止により路上から姿を消しつつある「バス停留所の待合小屋」である。マイカー普及や運転手不足による全国的な路線廃止を背景に、この空間は存続の危機にある。 本提案では単なる建築物としての待合小屋だけでなく、バスが停泊するために切り込まれた「バスベイ(地形)」や、運行を知らせる「時刻表(表示)」といった、路線バスの運行を支えてきた空間的要素全体を包括して対象とする。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
本空間に着目する理由は、現代社会が抱える二つの課題と、残された路上インフラの持つ空間的ポテンシャルが交差する点にある。
第一に、交通弱者の生活維持である。路線バスの廃止により自ら移動手段を持たない高齢者等の「最後の足」が絶たれ、通院や買い出しといった日常機能が失われている。この喫緊の不便に対する生活基盤のケアが不可欠である。
第二に、宅配業界の構造的限界である。EC普及に伴う小口配送の多頻度化と人手不足により、従来の全戸配達モデルは成り立たなくなりつつある。同じ道路インフラを基盤とする物流の再構築が求められている。
第三に、既存インフラと空間スケールの有用性である。バスベイ等の空間は公道に組み込まれており動線維持コストを最小限に抑えられる。さらに大型バスを想定した空間スケールは、小口配送トラックや乗用車の荷捌き・休憩スポットとして車種を置き換えてそのまま活用可能である。
このように、地域交通の衰退と物流の限界という双方の課題に対し、路上に残された空間資産を再定義することで、住民生活の補填と物流効率化を同時に実現するインフラとなり得るため、本空間を扱う。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本提案は、路線バスの廃止により移動手段を失った地域住民の生活課題を解決することを第一の目的とする。かつて地域と外部社会を結んでいた待合小屋を、現代の生活インフラである物流機能と融合させ、住民の集いと小口配送を支える道端の拠点『路線ハブ・待合小屋』へと変異させる。
具体的な機能として、荷物の受取・発送ができる宅配ロッカーを備えた無人待合所を構築する。主な利用者は、オンデマンドタクシーを利用する高齢者や、マイカーで前を通過する近隣住民等である。加えて、近隣のスーパーや病院、運送業者が連携し、日用品や医薬品をこのハブへ配送するサービスを展開する。これにより、従来の「通過地点」であった待合小屋が「身近な目的地」へと変容し、交通弱者の移動負担を大幅に軽減する。
また、バスが停泊していたバスベイ(地形)は、移動スーパー等の停泊地として活用する。小屋に設置するデジタル掲示板は、バスの運行表に代わり移動店舗の訪問スケジュールを伝える『暮らしの時刻表』として再定義され、人々がこの場所を訪れる新たな契機を生み出す。
空間内部には人感センサー式のTVやラジオ、ベンチを整備する。荷物受取やタクシー待ちの際、あるいは移動の途中に「少し立ち寄って一息つく」環境を整えることで、自然発生的な交流を誘発する。路線バスの運行は終了しても、ここが日常の新たなたまり場となり、かつての温かな町文化が再び息づく空間を形成する。
社会実装時の価値として、宅配事業者にとっては幹線道路沿いの元待合小屋を「マイクロ・ハブ」とすることで、個宅配送の走行距離を短縮し配送経路の効率化を可能にする。一方で住民にとっては、買い物の利便性確保とコミュニティ維持が実現される。
『路線ハブ・待合小屋』は、かつて公共交通を支え役割を終えた空間が、地域住民と事業者の双方の課題を同時に解決し、新しい時代の地域インフラになる可能性を秘めている。
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路線ハブ・待合小屋
平成20年から令和5年にかけて、全国で約23,193kmもの路線バスが廃止され、多くの事業者が厳しい赤字経営に直面しています。マイカー普及や深刻な運転手不足を背景に、地域交通の要であった路線バスの縮小・減便が相次ぎ、それに伴って路上に点在していた「バス待合所」も着実に姿を消しつつあります。
本提案で対象とするのは、この残されたバス停留所の「待合小屋」です。路線バスの廃止により“最後の足”を絶たれた人々の暮らしをいかに補填するか。この課題に対し、現代の社会インフラとして定着した宅配産業の拠点であり、時には住民が憩い待ち合う空間ともなる、道端の物流・地域拠点『路線ハブ・待合小屋』として提案します。
地域に点在するこの小型拠点は、利用者の生活維持と事業者の効率化という、双方の課題を同時に解決する新たなインフラとなります。
本提案で対象とするのは、この残されたバス停留所の「待合小屋」です。路線バスの廃止により“最後の足”を絶たれた人々の暮らしをいかに補填するか。この課題に対し、現代の社会インフラとして定着した宅配産業の拠点であり、時には住民が憩い待ち合う空間ともなる、道端の物流・地域拠点『路線ハブ・待合小屋』として提案します。
地域に点在するこの小型拠点は、利用者の生活維持と事業者の効率化という、双方の課題を同時に解決する新たなインフラとなります。
