内部化した商店街の様子
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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
アーケードのある商店街を選定した。この商店街は全長90Mあり、東西にわたって連なっている。約8Mのアーケードがかかり、象徴的な空間になっている。一方で、跡継ぎがいない問題から、今後商店はどんどん閉じていくことが予想される。古くから代々継がれている店もあり、その店主に会うために遠方から訪れるユーザーもいるような場所である。建物も大正時代から残っている物も多いことや、商店街の住まいの特徴である2階に住空間があることから、高齢になると住むことがなかなか難しい状況にあり、介護が必要となると、街から出ていってしまう高齢者も多い空間だ。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
商店街は高齢化が著しい状況にある。高齢になると介護を必要とする人が増え、その介護のために長年暮らしていた商店街を離れるというケースがある。実際に商店街に訪れて、話を聞いたところ、商店街に暮らす人々は近所の人がだんだん街を離れていってしまうことに悲しさや寂しさを感じている、自身も介護が必要になる日は遠くないためどこか寂しいと仰っていた。日本では高齢化が止まらない。この背景からこの場所の問題だけでなく、全国的な絶滅の危機にあると考える。さらに、商店街は人々のコミュニティと強く結びついていることや衣食住と強く関わっているため、空間的な絶滅にとどまらず、様々なものを包含しながら失われてしまう空間である。このことに、危機感を感じ、人々のコミュニティや暮らしの在り方をそっと受け止め続けるような空間に変異させていきたいと考えた。
以上のように、商店街空間の消滅は、人々の生活がまるでなかったかのように道連れにする消滅である。土地に受け継がれる力や、ノスタルジーな雰囲気を維持しながら、空間的に変異させることが、今日的な課題への1つの答えが得られるように考えたため、商店街を扱う。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
商店街のアーケード空間を内部化し、まちと一体となったケアの空間に変異させる。二つの操作を用いて商店街の空間的変異を導く。
1 ケアのための内部化
商店街に対するケアの在り方の多くは、街の外のケアに頼ることである。これにより、人々は住み慣れた街を離れることが強いられる。さらに、なかなか街に戻ってくることも、仕組み上難しいとわかる。これを解決するために、街の中にケアステーションを設置し、街の中でケアを頼れるようにする。ケアステーションまでスムーズに移動ができる必要がある。従来の商店街空間は外部空間、または屋根のある半外部のような空間であった。スムーズな移動を実現するために商店街の端部に、開口を設け、内部化し、季節や気候に影響されにくい空間を作る。対象商店街は、アーケードがあるが、そのアーケードと建物の隙間にDIY的に雨除けとなる要素を設けている箇所がある。この姿勢に見習い、アーケードと住宅や商店の建物を結びつける。これにより、高齢者であっても快適に移動ができ、また適度な運動空間にもなる。
2 コミュニティを生み出すマエニワとノキシタ
雨を防ぐ設えを二つの要素に分類した。1つ目はマエニワである。建物をセットバックさせ、アーケードと建物の間に日光がふり注ぐ場所を設ける。内部化することで外を感じられにくくなるのではなく、内部化による天井のつくり方によっては現在のアーケードより、明るく快適に過ごせる場所を作る。2つ目はノキシタである。一階部分のみセットバックし、ノキシタ空間を大きく作る。これにより、アーケードが空間的に拡大し、より活発な活動につながる。このふたつの要素によって、内部化した商店街空間を、コミュニティのつながりや、地域間での活動をさらに豊かにする要素として提案する。
これが社会実装されたとき、シャッター街になりそうな商店街への一つの処方箋のような効果をもたらすと考える。
